Categories: 薬に関する看護

誤薬インシデントを起こしてしまった件

思い込みから誤薬インシデントは起こるもの

今の病院に勤めだして初めての誤薬インシデントを起こしてしまいました。

多分、看護師をしてればベテランでも何かしら過去に一度くらいは、というか何回も何十回もインシデントを起こした経験があるのではないかなあーと思うぐらいよく頻発するインシデントではないでしょうかね。

ってことで今回、私が起こしたインシデントの内容を書いていきます。

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誤薬インシデント発生の状況は?

その日私は夜勤で、夕方の薬を確認し日勤ナースから申し送りをもらうんですが、今日からバンコマイシンシロップの内服が開始されたとのことを受けました。

患者さんは、女性の高齢者

数日前から発熱が続いて便が泥状便で何回も繰り返していたのでC/D(偽膜性大腸炎)チェックしたところ陽性のトキシン毒素(+)であったためバンコマイシン4回投与が開始になりました。

夜勤の私は、夕食後と眠前に5㎖各2回を内服させる必要があるわけです。

その患者さんはNPO(絶食)だったので夕食時に一回飲ませました。

続いて眠前に本人のところに持っていき、他の定期薬と一緒に飲んでもらいました。

夜が明け翌日の朝の分のバンコマイシンがないので作らねばと思い準備していました。

用意したものは、バンコマイシン1バイアル 生理食塩水1ポリアンプル 単シロップ入り容器1本です。

そこで私はバンコマイシンを作ったことがなかったため先輩看護師に作り方の確認をしたのです。

すると、先輩看護師から単シロップの容器にシロップが入ってないということに気付き「シロップがないのは最初からでした?」と聞かれました。

誤薬インシデント時の思い込みはやばい

私「いいえ、ちゃんと入ってましたよ」「そこから昨日5㎖づつ投与しました」

先輩「これ単シロップだけだよ」

私「ええっ!この容器にはバンコマイシン混ざってないんですか?」

先輩「生食でバンコマイシンを溶かして単シロップを2㎖入れて飲ませるのよ」「これはただのシ ロップよ」

私「ええっー!じゃあ昨日2回分その容器から出したんで、そのままシロップだけ飲ませただけです」

先輩「インシデントじゃん!」

私「すみません!」

つまり、薬カートに置いてあった容器は単シロップのみでバンコマイシンは冷蔵庫内に作り置きされてあったんですな。

バンコマイシンが冷蔵庫内にあることに意識がなかった私は、薬カート内に置いてあった単シロップの容器から5㎖取り出して患者さんに夕食分と寝る前の合計10㎖の甘~いシロップだけを投与した形になります。

薬カートに置いてあるものをバンコマイシンと思い込んでいたのがそもそもの間違いの原因でした。

なんとも間抜けな誤薬インシデントを起こしてしまいました。

患者さんは特に副反応とかは見られませんでしたが、2回分治療ができなかったことになりますんでC/Dの影響が続いて患者さんにはキツイ思いをさせてしまいました。

ちなみにC/Dの症状は発熱、下痢(水様便や粘液便、時には血便もあります)ですね。

もしこれがもっと重要な内服の飲み忘れだったり間違った投与の仕方だたとしたらホントにゾッとするインシデントになっていたかもしれない。

と思うと今回のインシデントは、患者さんには申し訳ないですがいい勉強になりましたし二度と起こさないように身の引き締まる思いがします。

まとめ

誤薬インシデントは誤訳してしまった薬の内容によっても患者さんに与える影響は大きいものになりかねません。

事前の確認や電カル上での薬歴の確認を行って手順や投与方法に間違いがないようにするのがいいかと思います。

何事も任せっきりで「してあるだろう」とか「こうに違いない」などと言った車で言う「だろう運転」は間違えの基になるので気を付けたいと思います。

自分の勝手な思い込みやバイアスに左右されないように何に対しても疑問を持つことが大事であることを学びました。

ナースマン

病棟で働く「老後を豊かに暮らすべく、お金を増やすためのマインドを大切にしている」ナースマンです。

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ナースマン