ブリストル便形状スケールと便秘解消法について書いていきます。
入院患者さんの観察項目として便の排泄状況と性状は必ず記録に残したり異常があった場合には医師に報告しなければなりません。
自分の実体験に基づいてたりするので、便の評価ってある程度わかるだろと思ってたりしますよね。
わざわざスケールを使って記録に書くってことは少なくないですか?ていうか、ブリストルスケールを使って記録を書いている看護師はごくわずかです。
ですがいざスケールで記録に残すとなった場合に困る場面があるのではないでしょうか?
記録に書く時って大体パターン化してるので「何色か・形があるか・量はどのくらいか」を看護師の主観で書くことがほとんどです。
評価として誰もが同じ情報を共有できるようにしなければいけません。
主観で記録しちゃうと評価がバラバラであいまいなので、ちゃんと評価基準を設けましょうってことでブリストル便性状スケールという評価基準があるんです。
で、ブリストル便性状スケールは便の形を主に標準化して1~7段階に分類評価するように出来ています。
目次
(イラスト:排泄ケアナビホームページから抜粋引用)
~7段階なので真ん中の4段階が普通便です。
それより上の1~3段階が硬くなり下の5~7段階が柔くなっていきます。
一番水分が少ない硬便が1段階で、ほとんど水分である水様便が7段階です。
どの段階だっけ?ってなるので日頃から自分の便を毎日評価していくことで覚えられます。是非やってみて下さい。
慣れると簡単です。
あとは柔いと消化管の通過時間が短いということになる(水分の吸収には時間がかかる)
例えば、下痢だったら「消化吸収が十分でないな」とか、便秘なら「水分が日頃少ないかもしれない」という推測が出来るわけです。
それが分かるだけでも患者さんにちょっとしたアドバイスやケアの関りに繋がってくる。
便の状態はかなりの情報が収集できる貴重な材料になりますので、出来るならば実際に見て性状を確かめると役に立ちます。
続いて下剤の種類と特徴について書いていきます。
便秘で数日排便が無かったりしたとき、下剤を選択したり摘便や浣腸をして排便コントロールを行います。
下剤にも色んな種類があります。
作用の特徴を押さえておくと患者さんに使うべき下剤のタイプが分かってくるので、看護をするうえで面白みも出てきます。
自分の考えが成果に現れると嬉しいです。
でも、便が出てないからといって、摘便してみたりいきなり浣腸しようとするとかえって患者さんに悪い影響を及ぼすこともありますから注意が必要です。
患者さんの排便状況を考慮しつつ適切な選択をすることで無駄な時間節約にもなります。
全体的に下剤は6種類あります。
浸透圧性下剤とは、便秘になった時の第一選択として位置づけられています。便を柔らかくして排便を促す効果があり、腸管内に水分を誘導して硬くなっている便を柔らかくする。
刺激が少ないので腹痛を起こすことなくしかも、耐性がない。
ゆっくり作用するので体の負担も少ない。
ただし大量に服用すると強力な下剤効があるので量によって調整が出来る。
腎不全患者では、高マグネシウム血症を起こすので使いにくい。
「商品名」
コップ1杯の水で服用する。食物繊維の少ない患者さんに適している。最も自然排便に近い状態での排便になるが作用時間がかかり硬結便があったり、腸狭窄があると禁忌で使えない。
「コップ1杯の水で服用」なので心不全・腎不全患者には使いずらい。
「商品名」
刺激性下剤とは、その名の通り大腸を刺激させることで蠕動運動を亢進させ、排便を引き起こします。主に、老人や虚弱の人の便秘に使い、長期使用すると効果が減弱してくるので週に1~3回の屯用によるレスキュ―に使う。
腸の緊張性や痙攣性便秘に使うと腸内圧が上がり腹痛や嘔気を生じる。
「商品名」
クロライドチャネルとは、小腸にあるクロライドチャネルを活性化させることによって便の水分を増やし柔らかくして排便を促進させる効果がある。
「商品名」
副交感神経刺激剤といって副交感神経に働きかけて排便を促進する。
「商品名」
毎日お通じの状況を聞いたりしますが、患者さんは中々どんな便だったかなんておっしゃってくれないですし、こちらから努めて聞かないと返してくれません。
なので、「いつもと違うかどうか」ってのが大事。
患者さんによっては生活習慣から便は1日に1回の人もいれば2.3日に1回の方もいらっしゃるので。
そこを聞いたうえでどこまで深く聞いて性状を確認していくかを判断してアセスメントに持っていけたらいいのではないかと思います。