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以前このブログで書きました鼠径ヘルニアについて、合併症なんかも勉強しなきゃなと思いましたので鼠径ヘルニア術後合併症について書いていこうと思います。
良かったらこちらもご参照ください。
鼠径部の筋肉は薄くて、年齢を重ねると筋肉が弱くなったりします。
喘息や便秘などで腹圧がかかると弱くなった鼠径部の部分から臓器が飛び出してくる病気ですな。
鼠径ヘルニアの手術は、大きく分けると鼠径部を切開する方法と腹腔鏡の2種類ありますが、鼠径部切開は局所麻酔や腰椎麻酔・全身麻酔で行われるのに対し、腹腔鏡は全身麻酔で行われます。
手術の内容は、ヘルニアしたものを腹腔内に戻し周囲の組織の処置を行う方法です。
そして、メッシュで補強する方法が一般的。
術式は沢山あってその選択は医師の得意な術式で選択されることが多いようですよ。
以上の他にもいろいろメッシュの種類もありますが、術式の内容は同じ要領で行われることを意識していれば大丈夫です。
手術翌日までは創部や腹部所見、血尿などに注意が必要です。
良く起こる合併症としては、皮下出血斑や漿液腫(創皮下に水が溜まる)がありますが、どちらも数日で自然に消失することが多いため経過観察します。
入院中に起こることはほとんど無いようですが、退院後に創感染を発症することがあるため、退院指導として創部に発赤や腫脹、痛みが出てきたときは受診するように説明する必要がありますね。
高齢者になると、環境の変化や生活のリズムが手術のためガラリと変わってしまいます。
よく説明して理解されていると思っていても、術前や術後にせん妄症状を起こしてしまうことがあります。
注意深くせん妄の症状ではないかと疑うことも予防につながります。
以上のような事が術前や術後に起こりやすくなりせん妄になりやすくなります。
その発生頻度は報告によりますが、だいたい5~15%程度になります。
せん妄が起こると、転倒や転落、ドレーンの自己抜去など危険な行動が起こります。
看護師や家族の労力や負担は大変おおきいです。
せん妄は看護師にとって、とても起こってほしくない合併症の一つではないでしょうか?
また、最近ではせん妄が起こると、せん妄からの回復後も認知機能が低下したり、死亡率が上がるとの報告もありますからね。
つまり、せん妄は患者さんにとってとても不利益であり、術前と術後に限らず入院生活において非常に重要な問題になります。
看護師は、術前に危険因子がないか評価し、高リスクの患者には予防的に対策を行っていきます。
それでもせん妄が起こった時には環境整備・疼痛管理・薬物治療の3つがポイントになりますね。
鼠径ヘルニアについて合併症のことについて書いていきましたが、観察することが分かれば夜勤でも不安なく自信を持って患者さんを診ることができますね。
意外と厄介なのがせん妄で、私も最近術後の患者さんでせん妄からドレーンの自己抜去された患者さんに遭遇しましたから、せん妄は突然起こってしまう疾患なのでちょっとした患者さんの異変に気付けるようにアンテナを張っておきたいですね。
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