血圧計を使ったシェロングテストの評価方法を分かりやすく解説します【起立性低血圧】

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循環器系の看護


投稿日2019-6-30 更新日:2021-01-18

シェロングテストの評価方法ってどうやるの?

シェロングテストとは、起立性低血圧症であるかどうかを評価するテストです。

たとえば、何気にあとは退院を待つのみの患者さんで、日常生活のADL拡大とか筋力維持などのためにリハビリが始まることはよくあることです。

その際、以下のことがおこったりします。

「よく分かんないけど、いつもより血圧低いな」

「立ち上がったり歩いたりすると、ふらついたりするよ」

こんなときは、起立性低血圧を疑ったりするんですね。

原因はいろいろですが、おもに心疾患やパーキンソン病にみられる症状」ですね。

「仰臥位と座位と立位」の3つのちがう姿勢ときに、血圧の変動がどれぐらいあるのかを比較して 評価するテストのことをシェロングテストといいます。

意外と本にもあまり詳しく載っていないことがあるので、解説していきたいと思います。

この記事を読んでわかることは以下のとおりです。

  1. シェロングテストの方法がわかる
  2. 起立性低血圧を疑う症状がわかる
  3. 起立性低血圧の手がかりを見つけるポイントがわかる

では、さっそく見ていきましょう。

心疾患に関連する記事はこちら⬇️

心不全で観察する重要な3つの項目は「呼吸困難」「SAS」「貧血」の出現に注意しましょう!

シェロングテストの評価方法は?

では、シェロングテストの評価方法のやり方についてです。

教科書や参考書または、インターネットで調べると若干手技にちがいがあったり、どれが正しいシェロングテストの評価方法なのか混乱するかもしれません。

ですが、基本的な流れとかが多少ちがっていても、3つの姿勢(仰臥位・端座位・立位)での血圧の数値を比較するということが理解できていれば、やり方が違ってもまったく問題ないです。

シェロングテストの測定方法は以下の通り

  1. 患者を仰臥床にて血圧測定します。
  2. 座位(端座位)にさせた状態で血圧測定します。
  3. 立位直後そのままで血圧測定します。
  4. 立位を保持させたまま1分から5分待ってから再度血圧測定します。
  5. 座位に戻って血圧測定します。

ポイントを整理すると以下のとおりです。

・合計5回血圧測定すること

・血圧の変動が20mmhg以上であれば起立性低血圧症と診断されます。

・臥位から座位の血圧

座位から立位で血圧

立位時間での血圧を比較(立位直後と立位保持のまま1~5分経過した直後)する

立位から座位の血圧

人によっては、立位の保持ができないこともあるので患者さんに合わせてテストしていいと思います。

参考にしてみて下さい。

バイタルサイン血圧の変動について書いた記事で興味のある方はこちらからどうぞ⬇️

血圧の手術管理で問題になるのは「変動」です。【体験談あり】

起立性低血圧を疑う症状はふらつきや立ち眩みがあるか

hikaku

入院中に歩いていて、ふらつきがあったり、めまいや立ち眩みなどがあると訴える患者さんの中には、転倒する可能性があります。

とくに、高齢者の方は転倒のリスクが高いです。

ふらつきやめまい、立ち眩みなどの症状があるときは起立性低血圧を疑っていいと思います。

起立性低血圧症の可能性がある患者さんには、シェロングテストをします。

シェロングテストの評価をして、結果を記録に残したうえで治療に結びつくケースもあります。

また、予防や対策を立てるためにとても大事なアセスメントであり看護技術の一つですね。

ぼくが経験した患者さんのなかに、普段の検温時の血圧は正常範囲内でどうもないのに「ふらつきがあったり、歩いたときにめまい・浮遊感・立ち眩み」などが症状として見られていました。起立性低血圧症の可能性があるのではないかということで、シェロングテストを行ったら血圧の変動が30mmHg以上もあってビックリ!もちろん起立性低血圧症でしたね。

なので、めまいやふらつきなのどの訴えとか、症状は注意して観察して起立性低血圧を疑ってみるといいかもです。

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起立性低血圧かどうかを現病歴からも手掛かりが探せます

また、基礎疾患のベースとして慢性心不全とパーキンソン病を持っておられないかも起立性低血圧症の手掛かりとして知っておくといいかと思います。

心不全に関連する読んでおきたい記事はこちら⬇️

心不全で観察する重要な3つの項目は「呼吸困難」「SAS」「貧血」の出現に注意しましょう!

・慢性心不全

・パーキンソン病

盲点として、心疾患のベースがあり低血圧症状があって当たり前という思い込みや、パーキンソン病の症状の特徴として歩行時のすり足が普段からあるのはあたりまえです。

そこに気を取られて見過ごさないことです。

まあ、ある程度ADLが自立していて日常生活から歩いたり洗面したり、トイレに行ったりっていうことが出来る患者さんでしか評価の対象にはならないんですが、普段から収縮期血圧が80~100台で経過している患者さんとかは注意が必要ですね。

また、歩き方が「なんかすり足で今にもつまづきしてコケそうで安定感がないな」とか、歩行状態でも色んなアセスメントができます。

ちょっとでも起立性低血圧症を疑ったらその場でシェロングテストをしてみていいと思います。

こけたりする前にシェロングテストで評価して、できる対策や治療に結びつけることが大事になりますね。

まとめ

シェロングテストの評価方法について分りやすく解説していきました。

まとめると以下のとおりです。

  1. 3つの姿勢(仰臥位・端座位・立位)での血圧の数値を比較するということが分かればいい
  2. できれば5回血圧測定して比較する
  3. 血圧の変動が20mmHg 以上で起立性低血圧をうたがう
  4. 起立性低血圧を疑う症状を知り、心不全とパーキンソン病は注意して観察する

シェロングテストってよくリハビリスタッフが気付いてしてくれるテストではあるんですが、もちろん看護師も行って患者さんを評価するので、しっかり方法を押さえておくのもいいかもです。

以上、「シェロングテストの評価方法を分かりやすく解説します【起立性低血圧】」でした。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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