IBSという病気を理解し、体質をコントロールすることで健康増進の向上に役立つ方法を紹介します。
目次
突然の腹痛を伴い下痢や便秘といったお腹のトラブルに悩まされている人はたくさんいることでしょう。
新しい職場・慣れない環境・運動不足・偏った食生活などによって引き起してしまう病気で、過敏性腸症候群(IBS)といいます。
慢性的に腹痛やおなかの張りや不快感があり、下痢や便秘を伴います。
男性よりも女性がかかりやすく、30から60代に多い。そのうちの50%がストレスが要因で不安やうつ、特定できない慢性痛といった精神科的症状を伴います。
現代人の15~20%の人が患っているとされていますが、実際そのうちの10%しか病院にかかることがない病気ですね。
RomeⅢという診断基準があります。
最近の3か月のなかの1か月につき、少なくとも3日以上にわたって腹痛や腹部不快感が繰り返しおこり、下記の2項目以上がある。
6か月以上前から症状があり、最近3か月間は上記の基準を満たしている。
以上の診断基準はあくまでも目安にするものです。
というのも誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
もちろん血液検査などしても異常は出ません。
最終的に原因が特定できずこの病気しか該当するものがないという流れで診断されることが多い病気です。
この病気は、おなかの痛みや張った感じ(膨満感)が主な症状です。
熱も出ませんし便を出してしまえばスッキリするのが特徴。
多少おなかに違和感が残ってもその時だけで、放っておくと改善するので、お金を払ってまで受診しようとはしません。
実はこの病気、ストレスが原因でなる病気ではありません。
病名に「過敏性」と付いているせいで腸がストレスに過敏に反応するかのような誤解を招いてしまっていると思いますが、ストレスはあくまでもきっかけにすぎず、消化管の運動異常や知覚過敏などを引き起こしているに過ぎません。
仮にストレスを解消して取り除いても症状が改善されなかったりします。
この病気は、体質によって起こる病気ということが分かっています。
同じ環境にいても病気になる人と、ならない人の違いは3つの「体質」にあったのです。
IBSは主に3つの体質タイプが原因となって症状を起こします。
以上の原因を見て、あなたにも今までの腹痛に心当たりがあるのではないでしょうか?
ハンバーガーを食べたのがきっかけで、痛みが出たり下痢になることもあります。
これらの要因は、日常生活を過ごす現代人にとって、とてもありふれた出来事や習慣から起こっていることが特徴として挙げられます。
対策としては、まずIBSは自分でコントロールし、治すことが出来るということを理解することです。
IBSは体質によるものと述べました。
つまり、自分の体質を知りうまく付き合っていくことで必ず良くなります。
ほとんどの方がきちんと理解してもらうだけで、症状を軽くできます。
ストレスは様々な現代病を引き起こす代表的な因子です。
放っておくと下痢や便秘といったお腹の症状にとどまらず、うつ病を発症してしまいかねないとても怖い生体反応のひとつです。
また、運動不足や偏った食生活も様々な病気を引き起こしてしまうことに繋がります。
でも安心してください、そうならないために簡単な対策を2つご紹介しましょう。
一つ目は腸内環境を整えることです。
腸内環境を整えるということは、規則正しい食生活を取り入れるということです。
現代人は食事に対してあまりにも無頓着な傾向があります。
なぜかというと、いたるところにコンビニやファミレス、ファーストフードなどいつでもどこでも手軽に食べたいものを食べたいときに手に取ることが出来るからです。
腸内環境に悪い食事とは加工食品です。
ハムやソーセージ、コンビニ弁当や惣菜など色々なものが加工されています。
実際今の食生活から加工食品を排除することは到底できません。
なぜなら欧米化に伴い私たちの周りには加工食品にあふれているからです。
もっと具体的には、食品添加物を避けることです。
食品添加物とは食べ物をキレイに見せたり保存を長くしたり、味を人工的に変えたりできる化学物質です。
全てではありませんが腸内に入った食品添加物は栄養として分解されずに溜まってしまうものもあり、また、発がん性を引き起こす物質もあります。
加工食品の排除は難しいですがプロバイオティクスを多く取り入れることで腸内細菌が正常化され多様性に富んだ環境を構築できることが分かっています。
例えば、納豆、ヨーグルト、チーズ、味噌などの発酵食品などです。
1日に1品から始めてみましょう。ただしできるだけ毎日とるのが良いです。
理由は、腸内に留めておくことが出来ないからで、毎日とることによって効果を維持できます。
人の腸内には約100から1000兆個の微生物がいると言われています。
腸は第二の脳と呼ばれ腸を健康に保つことがおなかだけでなく精神的にも肉体的もに良い影響を与えることが分かっています。
プロバイオティクスとは、人に有益な作用をもたらす微生物のことで腸内細菌のバランスを整えたり改善してくれる食品のことです。
朝にトイレタイムをとるのは胆汁性下痢症タイプにお勧めです。
なぜかというと、このタイプは食事と関連して下痢が起こるので、自分で時間をコントロールできる朝にこそしっかり出しておくのが良いことが分かっています。
日々忙しい生活の中でなかなか運動を取り入れるのは難しいと考える方もいらっしゃると思います。
そんな方におすすめするもう一つの対策はウォーキングです。
ウォーキングと言ってもただ歩くだけでは効果はあまり期待できずさらには、時間もそれなりに確保しないと続けるのが難しいでしょう。
忙しいあなたにお勧めな方法は早歩きのウォーキングです。
一般的なウォーキングなら1日1万歩を目安に歩きましょうってよく言われますが、なかなか1万歩歩くのは大変です。
距離でいうと約7㎞必要ですし、時間も1時間30分ぐらいはかかるのが平均的な目安となります。
早歩きでのウォーキングなら1日15分ぐらいで大丈夫です。
距離はあまり関係ありません。
週3から4日するだけです。
歩くスピードは一般的なウォーキングだと時速4㎞ぐらいですので、時速5㎞から6㎞にするとかなり早歩きになります。
例えばパートナーがいたら息が切れしながらも会話が出来るぐらいがちょうどいいスピードです。
ではなぜ早歩きなのでしょうか?その効果をみてみましょう。
【ストレス解消】
スタンフォード大学のケニーマクゴニガル博士がグリーンエクササイズを推奨してます。
5分間だけでも家の周りや公園を散歩するとリラックス効果が得られ、集中力が増し、ストレスが解消されるという報告があります。
【内臓脂肪が減少】
早歩きを続けることによって脂肪や糖質が燃焼され生活習慣病の予防になります。
つまり、適度な運動になり便秘解消に繋がります。
【基礎代謝力が上がる】
適度に負荷がかかるため血流が上がります。
代謝が良くなるので太りにくい体質になります。
また姿勢もよくなり腸の動きも正常化してくる。
【早く歩ける人ほど長生きできる】
長生きする老人の特徴として歩行スピードが速いことが統計で分かっています。
アメリカの3万4千人を21年間追跡した調査では、65歳以上の高齢者の歩行スピードが遅い群と比べて、速い群の方が長生きしたという統計結果が示されました。
IBSは決して怖い病気ではありません。
・体質を知り腸内環境を整える。
・早歩きを取り入れる。
この2つを実践してみればより健康で若々しい体になることが出来るでしょう。
最後に、ストレス型の体質の人は天才肌と言われていています。
本人にとっては辛かったりきつかったりと感じるかもしれませんが逆に、よく気の利く細やかな性格の人でもあるのです。
日本やアメリカの疫学調査では、IBS患者は高学歴の人が多いと報告されていますのでみなさんもおなかの悩みに今からすぐできる食事と運動をやってみてはいかがでしょうか。
以上、「腸過敏性症候群とうまく付き合い健康を引き出す方法」でした。
少しでも参考にしてもらえると、うれしいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。