失敗から学ぶ経管栄養自己抜去インシデント

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mistake 入院に関する看護

寝たきり患者さんのミトンはインシデントのリスクが高いよねって話

今回もやらかした失敗談をただただ書いていこうと思います。

何をやらかしたかというと、寝たきり患者の経管栄養チューブ自己抜去させちゃった事件です。

病棟では、自分で食事が摂れない人も居るんで中には鼻から栄養用のチューブを入れてそこから栄養を流して食事を摂りますよね。

私が病棟に転職して間もない頃、まだ1ヶ月も経ってなかったと思います。

あの頃はまだ病棟の在り方とか全体像なんかが全く分からず、機能的なことや流れも掴めてない時期でしたし、正直言って病棟のことはなーんも分からなかった矢先に起こったインシデントですな。

まあ、自分の危機感の低さもあったのは確かで、そこまで気が回ってなかったですね。

思い返すと、自己抜去された時は何が起こったかも理解できなかったくらい状況が把握できなくて人ごとの様な感覚だったことを覚えています。

自己抜去した方は、ADL全介助の患者さんで寝返りはもちろんできませんし移乗や排泄も全介助で行う看護必要度の高い患者さんです。

でも、上肢は比較的よく動くために4点柵の両手にミトンを装着して紐で柵に括り付けて抑制しなければいけない状態でした。

つまり、身体抑制の同意を取ってある患者さんで、危険防止や予防をしてました。

なんで身体抑制が取られているかというと過去に何回も経管栄養チューブの自己抜去の事例が起こっていたからなんですね。

その患者さんは、何度か自己抜去したことがあるためスタッフも十分注意してケアや看護を行って管理していたようです。

なので、今回が初めてではないということですね。

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経管栄養チューブを自己抜去したインシデント

kea

日勤でその日の受け持ち担当になったので、朝から患者さんの情報収集をしますが、新人の私はまだ患者さんの何について情報を取ればいいかイマイチポイントが掴めていませんでした。

なんとなく今日担当する患者さんに行うケアと過去記録を読み、病名もそこそこにしかチェックしないままです。

しかも、一応紙に書いて忘れないように情報を書いて漏れがないようにしたりするんですが、見返す余裕もないくらい気持ち的にもいっぱいいっぱいでしたね。

朝の検温の時に患者さん一人ひとりにバイタルサインを測って回り、必要な観察や会話から健康状態の情報収集を主観的・客観的にデータを通して見ていきます。

インシデントを起こしてしまった患者さんにも同じように検温に行ってバイタルサインを測りましたが、その時に思ったのは何でミトンが外されててテーブルの上に畳んで置いてあるのかな~?って思いました。

が、それが自己抜去に繋がるとは発想が思い付かなかったわけです。

「あっ、外れてるな。なんでかな?いいんかな?まあ大丈夫なんだろうな誰かが分かって外してるんだろうな」っていう感じで流してしまって、都合のいいように思いこんだのがいけませんでしたね。

案の定、その後別の患者さんの検温をしている時に別のスタッフから経管栄養チューブの自己抜去しているとの報告を受けてインシデント発生となりました。

インシデントの原因は?

  • ミトンを付けていなかったこと
  • 気付いたのにそのままにしてしまったこと
  • 都合のいいように解釈して放置してしまったこと
  • ミトンの役割をきちんと理解していない

これは自己抜去されるのも当然の結果ですな

今思い返すとミトンが外れていたら確実に付けるだろうなって思いますが、後の祭りです。

インシデント後の対応

リーダーに報告して、リーダーから主治医に報告が上がりどうするかを指示をもらいます。

  • 再挿入の指示が出たので胃管チューブを再度挿入します。
  • 挿入後、誤挿入していないか確認を行っていきます。
  • カテーテルチップで空気を入れて胃から空気音が聞こえるかを聴診器で確認する。
  • カテーテルチップを陰圧で引いて胃液が逆流してくるかを確認する
  • レントゲン撮影で胃内にチューブが写っているかを確認する
  • チューブが抜けないように鼻翼と頬部にテープ固定して抜けないようにする

まとめ

いくら栄養補給とはいえ、患者さんからしたら鼻から入ったチューブは異物なので、抜きたいと思います。

でも抜かれてしまったらまた患者さんに嫌な思いをして入れなおさなければいけないので、嫌なことをしなくていいためにも、そして、余計な仕事を増やさない為にも管理を徹底することを認識して自己抜去させない環境を整えることを学びました。

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