投稿日2019-10-24 更新日2021-01-08
髄膜炎の症状で、頭痛ってよくありますね。
頭痛がひどいときの対応について、悩むことはありませんか?
たとえば下記のような対応がありますね。
・くすりを飲んでもらう
・ドクターに診察してもらう
・傾聴して頭痛が治まるまで経過観察する
・ほかの看護師に相談して決める
などです。
ぼくの場合は、症状の訴えがあった時の対応には、ある程度ルーチン化しています。
ひとまずバイタル測定
これもそのひとつですね。
つまり、ルーチンで対応している間に、ゆっくり患者さんの情報をカルテから取りに行きます。
医師の指示を確認したり、看護の視点から今後の対応について、なるべく熟考して動くことにしています。
でないと、指示の見落としや、情報もれから十分に患者さんを見れないからですね。
髄膜炎の頭痛にたいしてする看護ケアについて話します。
髄膜炎のうたがいで入院してきた人の、頭痛の症状があったときのぼくの経験をもとに、なやみや問題を解決していきたいと思います。
この記事をよむと、理解できる内容は以下のとおりです。
また、オススメ書籍もご紹介していますので、良かったらみてみてください。
では、さっそくみていきましょう
結論から言うと、まずはクーリング対応で様子見ていいかもです。
クーリングで対応しておいて、その後の対応をどうしていくかの予測を立てる
そうすることで、慌てないですむかもしれません。
頭痛にも色々な原因によって起こりますね。
たとえばこんな感じです。
・「熱はないけど頭痛がヒドい」
・「頭痛以外はとくになにもないし、バイタルも正常値」 |
対応は経過観察からドクターに診察してもらうまでさまざまです。
でも、まずは冷やすことを考えていいと思います。
理由は、クーリングには炎症を抑える働きがあるからですね。
あと、冷やすことで痛みへの意識をそらすことができます。
痛みにたいして緩和させる効果が、クーリングにはあります。
その方は、深夜にものすごく頭痛を訴えてきました。 病名は髄膜炎です。 |
発熱してたけど点滴で解熱して、嘔吐もなくなっていたため、症状はおちついているとの日勤からの申し送りでした。
ほどなく夜間に「とにかく頭が痛くてどうしようもない」という訴えです。
バイタルサインは異常なし。
症状はつよい頭痛だけです。
髄膜炎が悪化している可能性もあります。
その日は入院初日の夜で、医師からの指示がハッキリ示されていなかったため、いったんクーリングで対応しました。
その後、冷やしたのが奏功し「冷やしたから頭痛も和らいで良かったです」という返答がありました。 |
頭痛だけでしたのでクーリングで様子を見ながら、いろんな予測を立てたり相談して対応していく方法をとりました。
頭痛のみなら、まずはクーリングをして様子を見てもいいと感じた症例です。
髄膜炎は観察をとおして、悪くならないか経過を見ていく必要があります。
髄膜炎の観察項目は以下のとおりです。
・発熱、頭痛、嘔吐のいわゆる3徴候がないか?
・意識レベルが低下していないか? ・血圧の低下がないか? |
これらを観察していく必要があります。
髄膜炎という病名が付いていたら、髄膜炎について観察します。
3つの症状が揃わなくても状態が悪かったら、早急に対応していかなければいけません。
たとえば下記のようなことを知っておくといいかもです。
・細菌性の髄膜炎なら、けいれん発作がでたり、意識がなくなることも考えられます。
・髄膜炎は、病原体によって症状の進行する速さがちがいます。 ・たとえば、細菌性であれば時間単位で早めに悪化します。 ・真菌や結核による髄膜炎であれば、数日をかけて進行することがおおいとされている。 |
観察は、キホン痛みの確認と、バイタルサインの変化をみます。
余裕があれば、髄膜刺激症状をアセスメントに入れると良いと思います。
よくするのは下記のようなことです。
・臥床したまま、頭を上下左右に動かしてみて、相手が明らかに痛がったら髄膜炎をつよく疑います。 |
ぼくが夜間に経験した頭痛の患者さんは、発熱もなく嘔気もありませんでした。
クーリングして10分後には、すでに眠っていました。
髄膜炎のわるい3徴候(発熱・頭痛・嘔吐)はなく、クーリングで十分おちついたということになります。
そのあとも定期的には観察して異常がないかは見ていきました。
髄膜炎のわるいシナリオになったらどうすればいいか?
いつもいい方向に行くわけではありません。
たとえば
・髄膜炎の3徴候がでる
・意識レベルがさがる ・けいれん発作がでる |
みたいなですね。
上記のような緊急のときは、すぐにドクターに報告するに尽きます。
いつドクターコールするのか?そのタイミングとその判断は以下のとおりです。
・コールのタイミングとしては「意識レベルと血圧低下」です。
・血圧は収縮期80を切ってきたらドクターコール ・意識低下があり、呼吸が明らかにおかしいとき |
たまに、ドクターコールするには微妙なときがありませんか?
「深夜にドクターコールしたくないなあ」
です。
心配で迷ったら、おもいきってドクターコールしてもいいかもです。
ギリギリまで粘って報告するよりも、経過報告としてひとまずコールすれば何も問題ないと思うこともいいかもです。
何もなければ、そのまま様子見ればいいわけですから。
対応がおそくなると髄膜炎はこわいです。
そのことを頭の片隅に持っておくといいと思います。
ぼくの見た患者さんは、高齢の女性でした。
意識もしっかりしていたし、血圧も80を切らないか意識して対応したので心に余裕ができて、安心して観察することができました。 収縮期100を切ることもありませんでしたから、気持ちにゆとりがありましたね。 |
その後、その患者さんのバイタルは異常なく一夜を過ごされ、頭痛も自制内で経過してクーリングだけで乗り切りました。
結局、その患者さんは膠原病からの髄膜炎(MCTD)の可能性があるということで、その治療鑑別に精査していくことになりました。
髄膜炎の症状で頭痛だけなら、まとめると以下のとおりです。
1.髄膜炎の症状は3徴候が代表的です。「発熱・頭痛・嘔吐」
2.髄膜炎の原因によっては時間単位で状態が悪化していくので、注意が必要です。
3.頭痛・発熱・嘔吐を見逃さず、観察して頭痛に対してはクーリングで対応しつつ自覚症状の増悪がないかを観察する。
4.意識レベルや血圧の収縮期80を切って来ないかを目安に、ドクターコールの判断をしていく。
最後までよんで頂きありがとうございます。
参考にしてもらえるとうれしいです。