血栓症は左足を観察する!【離床リハビリは血栓リスクが高い!】

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foot 循環器系の看護

血栓症は左足を観察する!【離床リハビリは血栓リスクが高い!】

更新日:2020-02-11

血栓症は足を観察して、異常に気付くことが看護では重要な役割になります。

寝たきりになると、足に血栓ができやすくなるからですね。

高齢者は一度寝たきりになってしまうと、いつもの生活に戻るのに時間がかかります。

しかも、寝たまんま生活するので足の血管の血流が滞りやすくなります。

また、血栓症は足に症状が出やすいという特徴があるので、リハビリが開始になったときがいちばん注意が必要です。

特に左足の観察です。

今回は、血栓症の症状が足にでやすいリハビリ開始時について、わかりやすく解説していきたいと思います。

よかったら参考にしてみて頂けるとうれしいです。

では、さっそく見てみましょう。

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血栓症はひだり足でどこまで見抜けるか?

 

血栓症

血栓症の発症は、足を観察すると分かります。

血栓症は足に起こることで深部静脈血栓症「DVT」という病名になります。

深部静脈血栓症DVT(deep vein thrombosis)は、長く臥床している患者さんに起こりやすいのが特徴で、すごくわかりやすい症状が足にあらわれます。

しかも、左足によく症状があられます。

なので、寝たきりの患者さんがリハビリ開始になったときに左足を観察すればOKですね。

いくつか「これって深部静脈血栓症DVTなんじゃないか?」

ってことを判断するための、観察項目があるので参考にしてみて下さい。

下肢深部静脈血栓症(DVT)の観察項目

  • 下肢に腫脹、疼痛、色調変化(赤紫色)がある
  • 下腿部の硬化、表在静脈の怒張、浮腫がある
  • 動脈の触知が微弱
  • 下肢の冷感、チアノーゼがある
  • 下肢に起こる症状に左右差がある(左下肢に起こることがほとんど
  • 下肢を垂らしたり立位時に痛みや症状が増強する
  • ホーマンズ徴候がある
  • ローウェンベルグ徴候がある

一般的に上記のような項目があります。

まとめると下記の足症状に注目すると良いかもです。

・下肢の腫脹

・疼痛

・色調変化

深部静脈血栓症の3大症状と言われているからですね。

ですけど、特異性に乏しいのが残念なところでして、症状がない人も多いのです。

ってことで総合的な観察は必要にはなってくるんですが血栓症は、足の変化に気付くことが大事なので、それにプラスして、ホーマンズ徴候やローウェンベルグ徴候がないかも合わせて行ってみると良いかもです。

で、何より深部静脈血栓症はほとんど左下肢に発症することが分かっているので、それだけでも手掛かりになるかと思います。

ここでひとつ疑問が出てきますね。

なぜ左足に症状が出やすくなるのかという疑問です。

血栓症がなんで左足におきやすいかというと、左腸骨動脈が左腸骨静脈の前面を走行するので、圧迫の影響を受けて血流の停滞を生じやすくなるからです。

つまり、動脈と静脈が交差する部分があるので左足に血栓が起きやすいということですね。

起きやすい環境

・初回のリハビリ時

・初回の離床時

・脱水傾向時

右足では交差する部分がないので、圧迫の影響が少ない。

深部動脈血栓症が起こる足のリスク因子は血流状態の3つだけ

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深部静脈血栓症DVTが、おこりやすくなるリスク因子って大なり小なりあります。

ここでは強めのリスク因子だけを3つだけ押さえておきますので参考にしてみて下さい。

  • 過去に深部静脈血栓症DVTを起こしたことある
  • 下肢の麻痺がある
  • 下肢にギプス固定をしてる

つまり、下肢の血流が停滞してしまうようなイベントがあると、リスクは高くなります

僕がこの前経験したことですが、いきなり左足(膝から下)がものすごく熱感を持ってて、色調変化を起こした患者さんがいました。

その患者さんの熱源の原因検索をしたけどはっきり分からず、熱をさげる治療をおこない、抗生剤の治療をして腫脹と熱感をおさえたという症例がありました。

たぶん、ひざの関節炎からの熱感と発熱、色調変化だと思いますが、左足だったのでもしかしたら深部静脈血栓症を起こしていた可能性もありますよね。

血栓症は治療が遅れるとヤバいですからね。

なんでヤバいかというと、もう一つ押さえておかなければいけない二次的疾患があります。

足に出来た血栓が肺に飛んで肺血栓塞栓症肺梗塞を引き起こす可能性があるからですね。

肺に血栓が飛んで血管を詰まらせるんで、患者さんは呼吸困難になります。

緊急を要するんで迅速な対応が必要になってきます。

合わせて読んでおきたい血栓症に関する記事はこちら⬇️

肺血栓塞栓症の観察チェックリスト

Old people

肺血栓塞栓症を発症してしまった時の観察のポイント

下記に上げますので参考にしてみて下さい。

・突然の呼吸困難、胸痛、頻呼吸がある

・長期臥床後の初回歩行時、排泄時、体位変換時に起こる

・突然のSPO2の低下がある

・呼吸音の異常がない

・心電図変化がない

ただし、肺梗塞や胸水が溜まるとこの限りではなく、各症状や所見は一律にでるものではないので、総合的に判断するしかないです。

つまり、場面や状況に惑わされずに肺血栓塞栓症の可能性を常に疑うことが大切ということです。

まとめ

血栓症は左足の観察でわかるということを書いていきました。

・下肢の腫脹

・疼痛

・色調変化

3つの症状を気付くことですね。

また、まとめると以下のとおりです。

1.深部静脈血栓症の3大症状を観察して早期に気付く。

2.深部静脈血栓症はほとんど左下肢に発症する。

3.下肢の血流が停滞してしまうようなイベントがあると、リスクは高くなる。

4.足に出来た血栓が肺に飛んで肺血栓塞栓症や肺梗塞を引き起こす可能性がある。

深部静脈血栓症DVTはつねに念頭においておかなければいけない疾患の一つです。

食事が始まって食堂に誘導したり、トイレに移したりまた、体位の変換後にも血栓症のリスクがあるということを認識しておきたいですね。

リハビリでの離床や、歩き初めのときだけじゃなく、その後の経過も観察しながら、なにかイベントがあるときは血栓症のリスクがあります。

参考にして頂けたらうれしいです。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

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