ビクトーザはGLP-1受容体作動薬です。
『GLP-1受容体動作薬?ってなんやねんっ』て感じですよね。
そこは、とりあえずあとでカンタンに説明してるので置いといて大丈夫です。
順を追ってお伝えしていきますね。
まず、ビクトーザとは、皮下注射で血糖コントロールする注射薬です。
参考画像元:https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/guide/ph/620023_2499410G1021_1_00G.pdf
では、ビクトーザを解説しつつ、似た作用を持つ違う注射のバイエッタがありますので、
この2つを比較しながら解説もしていきますね。
目次
ビクトーザは毎食前(朝食か夕食に1回だけ)に自己注射して、血糖コントロールしていくものです。
ビクトーザはGLP-1受容体作動薬といって、インクレチンの一つです。
ここで、インクレチンについてカンタンに言いますね。
インクレチンは「膵臓を刺激してインスリン分泌を促す」こととイメージしてもらえればいいです。
膵β細胞膜上にあるGLP-1受容体に結合して、血糖濃度に応じてインスリン分泌作用を発揮します。
なので、GLPー1受容体とは、「膵臓にある細胞のことでして、そこに働きかけるよ〜!」って言ってます。
つまり、ビクトーザの作用の特徴は「血糖濃度に応じてインスリン分泌をいい感じに促してくれる優れもの」ですね。
そのほかに、大きく3つビクトーザの特徴がありますので、カンタンに説明してみますね。
- グルカゴン分泌抑制
参考画像元:https://www.msdconnect.jp/products/januvia/about.xhtml
食事により消化管内に炭水化物や脂肪が流入すると、その刺激を受けてインクレチンが速やかに消化管から分泌されます。 そして、血糖値の上昇とともに膵β細胞からのインスリン分泌を増加させ、膵α細胞からのグルカゴン分泌を抑制し、血糖低下に働きます。
ものすごくカンタンにいうと、グルカゴンは血糖を上げるホルモンなので、その分泌を抑えると血糖コントロールになるよ〜ってことですね。
難しい言葉ですね。
カンタンに解説します。
胃に入った食事が吸収されるのを遅らせて血糖の上昇を緩やかにしますってことです。
もう一個は、吸収が遅くなるので満腹感を感じやすくなて食欲を抑制してくれやすくなるってことですね。
ビクトーザには、胃に入ったものの吸収を遅らせる働きがあるんだよ〜と言ってます。
先ほど言ったことですね。
以上3つの特徴から
何が言いたいかというと、
この両方のことができるんですね。
ビクトーザは血中の血糖濃度によって作用してくれるので、低血糖を起こしにくいというメリットがあります。
その反面、高血糖に偏る傾向があるのであとでまた、副作用を説明しますね。
短時間作用型にはエキセナチド(バイエッタ)1日2回食前、リキシセナチド(リキスミア)1日1回食前があります。
長時間作用にはリラグルチド(ビクトーザ)1日1回朝または夕、持続性エキセナチド(ビデュリオン)週1回食前、デュラグルチド(トルリシティ)週1回があります。
この薬は3割負担で1ヶ月4000~6000円です。
インスリン分泌を促す薬なので、絶対条件として膵臓からのインスリン分泌がある患者さんに使うことになります。
糖尿病ケトアシドーシス、高血糖性の昏睡または前昏睡、重症感染症、手術などの緊急時はインスリン製剤による管理が必要なので適していないようです。 |
上記から何が問題になりそうかというと、高血糖には注意してモニターした方がいいですよ〜って言ってます。
副作用は腹部症状です。
・下痢
・便秘
・嘔気など
の胃腸障害が投与開始時に認められます。
ですので、定量用から開始して副作用の状況を観察しながら維持量を調整して増やしていく流れになりますね。
頻度は少ないですが、急性膵炎・腸閉塞を起こす可能性があるので一応注意が必要なので、腹部症状の訴えがあればバイタルを測って熱とか腹部のアセスメントをするといいかもです。
低血糖などのリスクは低いです。
ですが、他の糖尿病薬の併用やインスリン製剤との併用では低血糖症状が起こる可能性があります。
ちなみに、エキセナチド(バイエッタ)含有製剤は透析患者を含む重度の腎機能障害のある患者には禁忌となっています。
ビクトーザは通常注射している時間から数時間以内であれば注射していいです。
それ以上時間が経っていれば注射せず、次の日に1日分を注射します。
高血糖になるのでは?
という疑問がありますけど、1回ぐらい打ち忘れても問題はないですよ。(こんなこと言ったら怒られますけどね)
僕も患者さんにインスリン注射の打ち忘れしたことありますけど、重症化するなんてないし、少しは血糖値高めに推移するけどそこまで影響はなかったです。
ビジュリオンは気付いた時に注射します。
ただし、次の注射が2日以内に迫っている場合は注射しません。
トルリシティは気付いた時に注射します。ただし、次の注射日まで3日以内の場合は注射しません。
以上のことからも言えるのは、打ち忘れて高血糖になるよりもインスリンが効きすぎて低血糖になる方が命に関わってくるってことですね。
打ち忘れは低血糖になりませんから。
あくまでも個人的考えとしての意見を言っておきます。
ビクトーザは消化管の消化吸収を抑制することから、嘔気・嘔吐・下痢の症状があるよ〜って言いました。
下痢するってことは、脱水傾向になるので水分摂取を促すとか、食べれるものを与えて安静になる援助をすると良いと思います。
あとは、主治医の判断で治療をしていく感じですね。
ビクトーザ(GLP-1受容体作動薬)インスリン自己皮下注射の手技が必要になる薬になります。
もう一度まとめると以下になります。
注射も種類があるので自己注射に対する教育や説明が必要になってきますね。
看護師で管理する場合も事前に患者さんにはこれから行っていく治療の十分な理解をしなければいけません。
最後まで、読んでいただきましてありがとうございます。
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