せん妄の予防には、どんな看護をしたらいいかよく分からないと思いませんか?
ぼくは経験的な看護で対応していました。
それでもいいとは思いますが、エビデンスで予防するほうが信頼できます。
具体的にせん妄の予防には、DELIRIUMという検索方法があります。
せん妄の予防でDELIRIUMを活用する看護方法について書いていきます。
この記事をよんで、分かる内容は以下のとおりです。
合わせてオススメ書籍も紹介してますので、良かったらみてみて下さい。
では、さっそく見てみましょう。
目次
せん妄の予防するには、どんな看護をするかをアセスメントする必要がありますね。
アセスメントとしてDELIRIUM(デリリウム)があります。
DELIRIUMとは、せん妄の要因を網羅的に分類したものと思っていただければいいと思います。
くわしくは後で解説していきます。
・準備因子
・促進因子
・直接因子
せん妄には、症状を引きおこす因子ってものが3つあります。
この中の直接因子がDELIRIUMにあたりますね。
それぞれを詳しく分類した表がありますので、よかったら参照してみて下さい。
準備因子 | 脳機能低下を引きおこしやすい患者の背景 | 高齢者、脳自体の病気など |
促進因子 | せん妄のキッカケとなる因子 | 疼痛や呼吸苦などの身体的不快感、睡眠・不動・感覚遮断・心理的ストレスなど |
直接因子 | 脳機能を低下させて、せん妄を引きおこす重要な因子 | DELIRIUM(デリリウム) |
この表を覚える必要はないとおもいます。
ポイントとして押さえてもらいたいのは、せん妄の症状はすべてストレスからくるということです。
ストレスって色んな要因から起こりますよね。
なので、感覚で把握すればOKです。
では、なぜDELIRIUMからアセスメントするかというと
ストレスを助長させるものがDELIRIUMに集約されているからです。
さきほどDELIRIUMは網羅的と書きました。
ストレスを予測するには、DELIRIUMから考えるとアセスメントがしやすくなる。
ということになるんですね。
下記に紹介してあるように、因子の頭文字をとってDELIRIUM(デリリウム)となります。
Drug 薬剤(鎮痛薬・鎮静薬・抗コリン薬・潰瘍治療薬) Eyes/Ears 視覚・聴覚障害 Low O₂ states 低酸素状態 Infection 感染症・発熱・体力消耗 Retenstion Restraints 尿や便の停滞・身体拘束 Ictal けいれん発作後 Under hydration Under nutrition
脱水・低栄養 Metabolics 代謝性障害(腎・肝不全、血糖異常・貧血・電解質異常など) DELIRIUM(デリリウム)
結論は、せん妄の因子をDELIRIUMからアセスメントして看護のキッカケに考えていく。
この概念は、意識障害で使われるアイウエオチップスとおなじ感覚ですね。
なので、覚える必要はないです。
気付いたときに活用すればOKです。
基本的にドクターが治療に使うものなので、医学的にアプローチできるのでDELIRIUMから看護を考えるには、もってこいのツールになるんですね。
ブレインナーシング(35巻12号(2019.12)) 脳神経看護は“知れば知るほど”おもしろい! 脳神経ナースに必須の技術!せん妄・認知症患者さんへのあの手こ |
せん妄の予防に、どんな看護をしていくかというと「病態・くすり・症状」
この3つで考えればいいです。
下記に、カンタンに看護をあげますので参考にしてみて下さい。
せん妄のキッカケでおこっている病態(感染や炎症、脱水とか貧血・臓器障害・高Ca/低Naなど)でする看護です。
・是正してあげるように看護介入していく。
バイタルサインの変化の有無や、食事の量の、検査データ、全身状態の経過や異常を見つけて改善していくためのアプローチとアクションですね。
せん妄のキッカケになりやすい因子のひとつなので、減量や変更などを看護する。
・薬剤師に相談する。
・医師に確認する。
いちばん効果判定が目に見えやすく、実感できます。
・痛みや呼吸苦・排泄や不眠、その他の切迫した生理学的な苦痛を緩和する。
・安心してもらう看護を提供することが重要です。
病態・くすり・症状以外でも普段から予防することは出来ます。
下記を心がけるといいかもです。
・昼夜の明るさの調整、
・リハビリの早期介入(離床がせん妄予防になるのは、エビデンスでも証明されているから)
せん妄を予防するための看護は、今後おこりうる可能性を推測することもいいかもですね。
せん妄の予防は、どんな看護をするのかについて書いていきました。
まとめる
と以下のとおりです。
せん妄についてどう看護対応していけばいいかは、きちんとせん妄になったきっかけを見つけてあげて一つでも促進因子を改善していくように継続的に介入することかもです。
DELIRIUM(デリリウム)!言葉だけでも念頭におくといいかもですね。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考にしてもらえるとうれしいです。
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