胃管カテーテルを挿入する際の適応・理由・注意点を解説します【看護のポイント】

新人の頃は全てがはじめてなことがたくさんありますね。

注射や採血など患者さんにとって侵襲のある医療技術の習得に必死ではないでしょうか?

その看護技術の中でも胃管カテーテル挿入は、注射などと比べると頻度も少なく、1,2回のサポートが付いた後はもう一人で実践していかなくてはいけません。

一人でやろうとすると胃管カテーテル挿入がきちんとできるかどうか不安でいっぱいになりませんか?

この記事では、胃管チューブの挿入についてポイントを解説していきます。

  1. 胃管カテーテルの挿入適応がわかる
  2. 胃管カテーテル挿入の理由がわかる
  3. 胃管カテーテル挿入の注意点がわかる

また、オススメ書籍も紹介してますので、良かったらみてみて下さい。

では行ってみましょう!

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胃管カテーテルの挿入の適応は?

胃管カテーテルの挿入に関してとても大事なのがまず患者さんが自立してるかってことです。

こちらの指示に応じてもらえるかなんですけど

たとえば

寝たきりで覚醒が悪い人に対しての挿入は難しい、一方でしっかりしている人は簡単です。

あと認知症の程度にも左右されるでしょうね。

理由は、嚥下のタイミングで本人に飲み込んでもらう操作が必要になってくるからですね。

これが寝たきりの患者さんだったり、抵抗が強かったり意識が低下している人であれば咽頭反射や咳きの出現などを手掛かりに挿入していくので、新人のころだと非常に難しい手技になります。

僕が初めて挿入させて頂いた患者さんは、何度も治療で経験してたので患者さん自身、胃管カテーテルの要領が分かっていたので難なく挿入できました。

患者さんの挿入難易度に応じて誰かにサポートを依頼するようにして、対応するといいと思います。

一人より二人でした方が安心かどうかがポイントですね。

胃管カテーテル挿入の適応リスト

胃管挿入の適応の人は、下記のような感じです。

  • 食事が口から摂取出来ない患者であること。
  • 嚥下障害があって誤嚥の可能性が高い患者であること。
  • 腸に問題を抱えている患者であること

なんかが挙げられます。

で、僕が初めて挿入した患者さんは、術後なかなか腸が動いてくれないとのことでした。

症状としては、嘔気・嘔吐が続いてて離床が思うように進んでなかったんですね。

お腹の動きが悪く腸蠕動音の鳴りが弱い、放屁もなし、おまけに大量に胃液を嘔吐しちゃって腹単のレントゲンを撮ったら腸の内容物が詰まってるっぽいことになってたんで胃管カテーテルの挿入になったわけです。

イレウスの患者さんとか、腸の閉塞で通過障害を起こしているケースが適応になることが多いです。

胃管カテーテルを挿入する理由は減圧です

胃にカテーテルを挿入する理由は減圧のためです。

腸が動いていない為に胃の内容物が下に降りていかず、逆流して嘔吐してしまいます。

胃の内容物が下に移動しないと時間が経つにつれ、溜まってくるので内容物は吐く以外に逃げ道がなくなるんですね。

カテーテルを通すことによって胃の内容物がカテーテルを通って逃げていくことができます。

つまり、胃管カテーテルは「胃と腸管内の減圧」が目的になります。

胃管カテーテルを通して外に繋がってるバック内に排出させるために胃管カテーテルは挿入されます。

胃管カテーテル挿入の手技と注意点は?

次に手技的なことですけどまず、必要物品は以下になります。

胃管カテーテル(サンプチューブ)・排液バック・キシロカインゼリー・固定用テープ・安全ピン・手袋・ガーグルベース・ビニール袋・10・50mlシリンジ各1本

ってところでしょうか。

後は、患者さんに説明して理解してもらってから環境を整えます。

挿入前に、念のためキシロカインのアレルギーが怖いのでそこら辺の過去のアレルギーなんかを聞いときます。

カテーテルの先っちょにキシロカインゼリーを広範囲に塗って滑りを良くします。

なぜかというと、少しでも痛みとか不快感を軽減させるためですね。

挿入前に、確認しておくこと

鼻から耳介の長さと、耳介から剣状突起までの長さを大体把握して挿入する長さの目安を知っておきます。

鼻からカテーテルを突っ込みますが、ゆっくり入れて患者さんに「喉のところにカテーテルが来たらゴックンって飲んで下さい」って言います。

きちんと入ればそのまま大体50~70㎝入れれば大丈夫です。(カテーテルに何センチ入ってるかの目安ラインがしめされてあります)

この時注意することは、患者さんが咳をしだすのがやたらと多いと「んっ!もしかして気道に入ってんじゃねーか?」て疑うことですね。

反射で多少咳は出ても、気道に入ったら咳きしまくりますのでヤバいってわかると思います。

その時はやり直します。(何回もトライすることがあります)

なのでゆっくり入れてあげて飲み込ませるタイミングが大事ですね。

てことで胃に無事進めることが出来たら、次は確認作業をします。

挿入後ちゃんと胃に入っているかの確認方法とその後の看護は?

ちゃんと胃に入ってるかをいくつかの方法でチェックします。

  • 10mlシリンジを使ってカテーテル先端から空気を入れて気泡音ってやつが聞こえるか(2名で確認する)
  • 胃液がシリンジで引いた時に逆流してくるか
  • X-P撮影をして横隔膜の下に先端があることを画像で確認する(必ず医師に確認してもらいます)

気泡音が聞こえて胃管カテーテルが胃内にあることが確認出来たら、カテーテルが抜けたりしないようにテープで固定します。

鼻翼と頬部の2か所に固定します。

要は抜けたり外れたりしなければOK!ですがこの時に注意することは、カテーテルが鼻の皮膚に当たって潰瘍を起こさないことに注意します。

鼻翼の入り口は特にカテーテルが皮膚に接触しないように固定するということを意識してくださいね。

挿入した後の看護の視点

挿入後は腹部症状がないかとカテーテルの抜け、テープ固定の剥がれなんかを見ていきます。

患者さんの嚥下の状態によっては誤嚥のリスクがあります。

なので、痰の分泌量とか自分で出せるかが観察ポイントになります。

自分で出せなければ吸引して対応することになりますね。

それでも誤嚥のリスクがあれば、抜いて入れ直したり胃瘻増設も検討します。

まとめ

胃管カテーテル挿入について解説しました。

まとめると以下の通りです。

  1. 腸の通過障害がある人にカテーテル適応になるし、挿入困難かは覚醒の程度で判断できる。
  2. 胃管挿入の理由は腸管内の減圧すること
  3. 挿入のポイントは咳嗽反射が無いかで食道に入ったかを判断する。
  4. 確認は2人で行いレントゲンは必須検査なので医師に挿入後の確認をしてもらう

参考になったら嬉しいです。

最後まで読んでいただき有り難うございます。

ナースマン

病棟で働く「老後を豊かに暮らすべく、お金を増やすためのマインドを大切にしている」ナースマンです。

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