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認知症の妄想に対しては否定せず共感する対応でいく【妄想で多いのは物盗られ】


投稿日:2019-06-03 更新日:2020-12-24

認知症でいちばん多い妄想は「物盗られ妄想」です。

対応は「否定せず共感し環境を整えてあげること」です。

ポイントは否定しないことですね。

このことについて考え方を深堀りしてみますね。

この記事では以下のことを分かりやすく解説します。

  1. 認知症の妄想はほぼほぼ物盗られ妄想ばかり
  2. 妄想も色々あるけど対応はほぼ全て否定しないことと共感
  3. 妄想のキッカケには何があるかを適当に提示します

オススメ書籍も紹介しますので良かったらみてみて下さい。

では、みていきましょう。

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認知症の妄想は色々あるけど「ものとられ妄想」がほとんどです。

認知症の人が妄想になる時は、ほぼ物盗られ妄想と思ってて良いですね。

妄想にもいくつかタイプがあるけど、物盗られ以外はそれほど困らないというか、問題にしなくて大丈夫です。

たとえば

「だれも助けてくれずに見捨てられた」見捨てられ妄想

「主人が浮気をしている」浮気妄想

とかも妄想症状になります。

こういった妄想は、あんまり遭遇しないんですけどたま〜に見かけるので、その時は次のように対応します。

「話半分で聞き流しとけばOK。」

で、ほんとよく遭遇するのが物盗られ妄想で

どういった妄想かというと

「財布がない」

「着てた服がない」

「ここに置いておいたのに無い」

というようなことを言ってきます。

何か本人にとって思入れが強い物に執着してて、環境の変化とかストレスから起こる妄想ですね。

だいたい誰でも何かを大事にしてたりする物やことがあるので、認知症の妄想では物盗られ妄想が圧倒的に多くなります。

物盗られ妄想は、下手な対応をしてしまうと責められたり、激怒して悪者扱いされるので注意が必要です。

といっても対応はカンタンです。

「否定せず共感して話を合わせる」

これでOKです!

ここでちょっと小難しい話をしますが大事なことなのでお伝えしておきますね。

認知症の症状の中には心理行動症状(BPSD)がありますが、これは心理面と行動面の2つの認知症症状に分けることができて、分けて考えた方が分かりやすいです。

妄想も心理行動症状(BPSD)のひとつです。

BPSDは、感情が必ず関わってきます。

なので知っていると、考えがブレなくてすみます。

分かりにくいと思うので、さらっと流してもらって大丈夫です。

ただ、「ちょっと詳しく知りたいな〜」という方はコチラを参照してみてください。

 

認知症のBPSDと中核症状について違い分かる簡単な見分け方

 

ついでですけど妄想は、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症に多くみられる

ということも覚えておくと良いと思います。

何度も言いますが

いろんな妄想があるなかでいちばん多いのは「ものとられ妄想」です。

認知症の妄想は否定せず共感し話を合わせる対応で統一できる

先ほど認知症の妄想に対しての対応を話しましたが

認知症の妄想は「相手の気持ちに適当に合わせることで対応することが大事」です。

ほぼこれで対応できます。

認知症に限らず、看護の対象になる人はだいたいこれで何とかなる気もしますね。

無理に否定したり正論をぶつけて現実を突きつけても、逆に感情的になって話を受け付けなくなります。

ゴリ押しは「物盗られ妄想」が強くなりますね。

看護の基本かもしれません。

「適当に話を合わせつつ気持ちに寄り添い共感を示す」ことが大事です。

たとえば

「財布がないと不便ですよね」とか

「困りましたねどこに行ったか一緒に探してみましょう」

などのような声かけをすると落ち着いてきたりします。

後は、物の位置を把握しておいて、どこに何があるかを相手が分かりやすく環境を整えてあげる。

これらも大切なことです。

妄想のきっかけを適当に提示

ここでものとられ妄想の原因となる背景因子を、下記に示しておきますので参考にしてみて下さい。

身体的因子 視力・聴力などの五感の低下

せん妄

心理・環境因子 「盗まれた」と誤解しやすい環境(物を見つけ出しにくい部屋など)

疎外感など抱きやすい心理環境

精神科的因子 統合失調症や気分障害を併発している
薬剤性因子 妄想を誘発する可能性のある薬剤の影響(アルコール非合法薬剤など)つまりヘロインや大麻など

ものとられ妄想の背景となる因子

引用:一般病棟でも役立つ「はじめての認知症看護」より

この表からも分かる通り、特に太字の部分は妄想を引き起こします。

要因は心理面にかなりストレスがかかって起こってくる、精神的不具合が多いです。

相手が何に対して不安や不満を感じていたりしているのかをキャッチできれば、妄想の予防になるということが分かります。

先にも述べましたが、妄想は共感と環境に目を向けることが大事でこの考えはパーソンセンタードケアの視点も必要です。

パーソンセンタードケアとは、認知症の対応の考え方の概念のことです。

ざっくりいうと、その人の気持ちを中心に物事を考えて関わっていくのが根幹にある。

「尊重した対応を」ってことですね。

何もむずかい概念ではなくて、いたって看護の本質的な考えで捉えてもらえればOKです。

まとめ

今回は、認知症での妄想について症状やその対応のポイントを書いていきました。

あらためて、まとめていきますね。

  • 認知症でいちばん多い妄想は「ものとられ妄想」です。
  • 対応は「共感し環境を整えてあげること」です。つまり、「相手の気持ちに適当に合わせることが大事」です。
  • 否定したり正論をぶつけても、逆に感情的になって話を受け付けなくなりますので「適当に話を合わせつつ気持ちに寄り添い共感を示す」ことが大事です。

妄想は心理面での症状でよくあらわれますけど、何の妄想でも対応は一緒でOKです。

最後まで、読んでもらってありがとうございます。

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ナースマン

病棟で働く「老後を豊かに暮らすべく、お金を増やすためのマインドを大切にしている」ナースマンです。

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