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見当識障害の起こる順番は「時間・場所・人物」です。【看護に生かす認知症ケアの考え方】


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投稿日:2019-06-05 更新日:2020-09-23

見当識障害が起こる順番って決まっています。

時間・場所・人物の順で症状が出てくるんですね。

このことを理解しておけば、看護を生かすための認知症の進行の具合も把握することができます。

たとえば

「何回も時間を聞いてくる」

「初期症状の会話で時間に関する内容のことが多い」

「昼と夜の区別がついていない」

認知症のほとんどの方がおこすであろう「見当識障害」の症状ですね。

見当識障害は、認知症の症状としてはとてもポピュラーでよく遭遇します。

見当識の特徴的な症状を分かりやすく看護のポイントと考え方について解説してみますね。

病棟では「この人認知症かな?」と感じる割合としては、全体の3~4割ぐらいを占めている印象ですね。

この記事を読むことによって分かる内容は以下の通りです。

  1. 見当識障害の特徴的な症状を解説
  2. 見当識障害の順番で認知症の進行度が分かる
  3. 見当識障害の看護の対応がわかる
  4. 見当識障害の看護として予防方法が分かる

また、関連書籍も紹介していますので、良かったら見てみて下さい。

では、みていきますね。

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見当識障害の症状が出る順番は「時間」が最初です。


結論から言うと、見当識障害の症状出現の順番は「時間→場所→人物」の順番で現れます。

最初は「時間」ですね。

3つの事柄においての共通点は「今の状況が分からなくなる」っていうことです。

でですね、一番最初にわからなくなることが「時間軸」

ってことになります。

特に、初期は順番として時間に関する質問とか、会話のきっかけが時間のことが多いです。

例えば

「今何時?」と質問されるシチュエーションは看護の中でよくあります。

「朝の8時ですよ」と答えると「夜の20時と勘違いしてた」とか、よく驚きながら答える患者さんています。

これって時間の感覚がちょっとやそっとではなく朝と夜を区別できなかったり、今の季節が分かってなかったりといった具合ですね。

これって勘違いの程度が普通ではないです。

普段の会話ではありえない勘違いですもんね。

「看護のポイントは異常な時間の勘違い」

です。

じゃあ、ちょっと見当識障害について分かりやすく解説してみますね。

見当識障害とは、自分の今の状況が客観的に把握することができなくなっていることで、見当識を保てなくなってしまった状態を見当識障害と言います。

つまり、

「寝ぼけて分からなくなったり、酔っ払って今の状況が把握できなくなっていたりといったことによく似てる。」

見当識障害は認知症の代表的な症状の一つです。

具体的な症状としては、以下のようなことがあります。

1)時間の見当識「今がいつなのか?」が分からない

2)場所の見当識「自分がいま、どこに居るのか?」が分からない

3)人物の見当識「いま、話している人が誰なのか?」が分からない

といった3つの見当識障害があります。

で、何回も言いますけど

最初に出る症状は順番としては、ほぼほぼ時間に関する見当識障害ですね。

ただ一個だけ注意点があります。

こっちからのアプローチじゃなく、相手側からのアクションで見当識障害を判断してください。

わざわざ、「今何時ですか?」って聞いても「分かりません」で終わるのがオチですからね。

見当識障害の順番から認知症の進行度がわかるから看護度も変わる


3つの見当識障害は認知症の進行とともに「時間→場所→人物」の順番で症状があらわれるのが最大の特徴と言いましたね。

見当識は「記憶、意識、視覚認知、注意」といった機能が一緒になって作られている能力なんです。

難しいところではあるので、サラッと流してもらって

考え方としては

脳の機能全体が低下しているということとして認識してもらえばいいかと思います。

脳の全体が弱くなるということは

症状としては、ゆっくり且つ同じような経過を辿ることになりますよね。

なので見当識障害は、ほぼ順を追って徐々に時間→場所→人物の順番で障害され

進行していきます。

見当識の進行が進むと、本人の理解度も低下してきますね。

何が言いたいかというと見当識が進行すれば、手間が増え時間がかかってきます。

看護にとっては、かなり時間的にも看護の負担になってくるんですね。

見当識障害から順番を知ることで、進行度をある程度予測できます。

見当識障害の方に対しては、さらに進行しないような関りや予防をしていくという看護の考え方を持った介入が大事な考え方になると思います。

見当識障害の方に対する看護対応の仕方

時間、場所、人に対する看護の対応を書いてみますね。

見当識障害を起こしていると感じたら、時間・場所・人について話をしたときに、ある程度のアタリを付けると良いかもしれません。

その段階で、時間なのか場所なのか、人についての意識の低下があるかを判断できれば、それに対して対応していけばいいと思います。

【時間の見当識障害の場合】

例えば「カレンダーを設置する」

「時計を置く」

「いつの食事なのかを聞く」

「季節にかかわる会話をする」

「カレンダーに〇をつけていく

などですね。

時間を認識できるような環境を作り、時間に対する会話を中心にコミュニケーションをとること。

【場所の見当識障害の場合】

入院してしばらくすると場所の見当識障害が出てくることはよく経験します。

対応するときに意識しているのは、今いる場所が自宅でない事実に対して無理に否定したり、勘違いを指摘しないようにします。

そして、病院であることを認識させるというよりも、今いる場所が本人にとって安心な場所であるということを伝えることに意識して接すると良いと思います。

対応としては、

「家族の面会時間を多くとる」

「自宅での生活環境に似せる」

「馴染みの品を持ってくる」

といった、場所に係る安心感を提供するです。

【人物の見当識障害】

見当識障害がかなり進行してくると家族の顔も認識できなくなってきます。

しかし、認知症の方は人物が分からなくても適当に取り繕うことができるので、なにか対応することは特にありません。

大切なのは、本人のプライドを傷つけないような接し方を心がけることで、信頼関係を構築するような会話ができれば十分だと思います。

認知症だからといって、適当な会話をしたり、自尊心を傷つけるような発言はしないようにしなくてはいけません。

理由は、認知症の人も感情は保たれていますので心無い言葉や、否定や注意などを返事として返すと急に怒り出したり、興奮状態になったリしてしまいます。

見当識障害の看護的予防法は規則正しい生活リズム


見当識障害は認知症の初期に現れる症状なので、認知症自体を予防することが見当識障害の予防につながります。

具体的にどんなことが認知症予防になるかというと下記のような基本的な考えですね。

  • 睡眠を十分にとった規則正しい生活
  • 適度な運動、
  • 3大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂肪)

をバランスよく取り入れた食事などです。

例えば「鶏肉」ですね。

私も認知症の方の食事が出たら、まずは肉類(特に鶏肉)を優先的に食べてもらうように促しています。

経験的な話ですが、そうすると夜間の睡眠が良くなって比較的覚醒する頻度が減ってくる印象があります。

他にも、抗酸化物質を含む食材は認知症予防に効果があるとされています。

食材としてはこれがいいとは言いませんけど、

避けた方がいい食材や食べ物としては

加工食品は避けたいですね。

添加物とか防腐剤が使用されているからです。

また、趣味を持ったり人と交流したりすることは脳に刺激を与えるので、認知症だけでなく老化も防ぐことができます。

まとめ

見当識障害についてまとめると以下の通りです。

  • 症状は「時間→場所→人物」の順番で進行していくのが特徴です。
  • 見当識障害は3つあり、時間・場所・人物があります。
  • 進行度を知ることで無駄に時間をかけて間違いを指摘したり、否定することも減らせます。
  • それぞれの見当識障害で対応していきます。
  • 認知症自体を予防することが見当識障害の予防につながります。(運動・食事・睡眠)

見当識障害は認知症の症状では、初期に現れます。

なので外せない症状の一つです。

この記事を読んで少しでもお役に立つことができたらうれしいです。


最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

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ナースマン

病棟で働く「老後を豊かに暮らすべく、お金を増やすためのマインドを大切にしている」ナースマンです。