呼吸が困難で息が苦しいときは、3つの症状がでます。
これは患者さんの主観的な訴えですが、以下の3つに注意していく必要があります。
これら3つですね。
呼吸が苦しいという症状は、ほおっておくと急変の前兆かもしれません。
なぜ、急変のリスクがあるのかについて分かりやすく解説してある記事はこちら
バイタルサインは呼吸がいちばん重要です。【急変する前兆が分かる】
病棟でも、酸素を付けて入院生活をしている患者さんがいますね。
呼吸が困難でうったえる症状のなかには、急変かどうかを見極められると自信になりますので、アセスメントとあわせて解説していきます。
この記事を読んで分かる内容は以下の通りです。
1.呼吸が困難になったときの症状がわかる
2.呼吸にたいするアセスメントがわかる
3.呼吸パターンにたいするアセスメントがわかる
4.アセスメントの手順がわかる
では、さっそく見てみましょう。
繰り返しになりますが、呼吸困難のときは3つ症状があります。
「息苦しい」
「息切れがする」
「胸が苦しい」
見た目の感じで大丈夫です。
3つの症状がかんがえられるなと思ったら、急変の前兆かもしれないのでちょっと深堀りしたアセスメントを意識してもいいかもです。
呼吸の症状を見てるとかなり苦しそうな印象があります。
痛みにたいしては鎮痛薬などがあります。
でも、呼吸困難にたいしての症状には、死への不安感をあおり恐怖をあたえさせる症状もセットでついてきます。
患者さんの呼吸困難にたいする苦痛は死に直結するものなので、想像すると絶望しますね。
呼吸の困難を訴える時は、どうして呼吸が苦しくなっているのか原因を探すためのアセスメントが必要です。
苦しい症状を緩和するには、原因をとりのぞくのがいちばんの呼吸苦の改善方法だからですね。
たとえば、何かがのどに詰まったりする窒息やのどの気道が腫れて起こる喉頭浮腫とよばれる症状です。
窒息や喉頭浮腫は、もっとも緊急が高いので最初に判定します。
すぐわかるアセスメント方法があります。
「発声困難の有無」です。
つまり、話が出来るかどうかですね。
話が出来ないような状況は、喉の奥になにか「異物による詰まりがある」とか、または、「腫瘍などがあって」のどが腫れて浮腫をおこしているからとかです。
気道のとおりが狭くなって話が出来ないわけですね。
教科書にもよく載ってますが「チョークサイン」はすぐわかる窒息のサインです。
そのほかでの窒息そのほかでののサインは
「胸元を叩くような動作」
「首をかきむしる動作」
「力強い咳が出来ない」
などが見られます。また、吸気時(息を吸ったとき)にオットセイの鳴き声のような呼吸音が聞かれます。
呼吸の困難を観察したら以下のことを問診や視診で情報収集します。
呼吸パターン | 特徴 | 原因 | 疾患 |
チェーン・ストークス呼吸 | 浅い呼吸~深い呼吸~無呼吸が周期的に繰り返される。 | 頭蓋内圧が亢進されて脳ヘルニアになり、呼吸中枢が障害される。 | 脳血管障害、重症心不全など |
ビオー呼吸 | 不規則で様々な深さの呼吸と無呼吸が出現する。 | 同上 | 脳血管障害、髄膜炎など |
クスマウル呼吸 | 異常に大きい呼吸が規則的に続き、無呼吸は出現しない。 | 代謝性アシドーシスを補正するために、深大な呼吸を繰り返す。 | 糖尿病性昏睡 |
吸気性喘鳴(ストライダー) | 上気道の狭窄で起こる吸気性の喘鳴 | 器械的刺激による上気道浮腫 | 抜管後など |
起坐呼吸 | 起き上がって座位での呼吸 | 臥床では右心への静脈還流量が増加し、肺うっ血が増大して呼吸困難になるため、座位をとることで楽になる。 | うっ血性心不全など |
下顎呼吸 | 吸気時に下顎を下方に動かし、口を開けて呼吸する。 | 声門・気道を広げ、吸気を得ようとする | 死亡直前・重篤な呼吸不全 |
鼻翼呼吸 | 鼻翼が張って鼻孔が大きく開き、喉頭を下方に動かす。 | 気道を広げようと鼻翼が張って鼻孔が大きく開く | 重篤な呼吸不全、気道閉塞 |
シーソー呼吸 | 胸・腹部の交互運動(肺が吸気時に収縮し、呼気時に膨張する) | 呼気が不十分な為、気道を広げようとする | 舌根沈下、広範囲な肺炎 |
陥没呼吸 | 吸気時に胸壁(鎖骨上窩・肋間)がへこむ | 胸郭内が強い陰圧になるため、吸気時に胸壁がへこむ | 気道閉塞、突発性呼吸窮迫症候群 |
緊急性のたかい呼吸パターンとその特徴
まず包括的っていう意味についてですが、網羅した感じの意味ですね。
なので、もれなくアセスメントをするということになると思うんですけど、経験とか知識とか持ってる能力を最大限につかっていく感じなので、ムリがありますね。
呼吸の困難感は症状の現れかたや、進行によって特徴があります。
問診や視診・聴診をつかって原因を予測することも出来るんですが、むずかしい。
基本的な流れを押さえておくと、早期に動けるかと思われます。
呼吸が困難な患者さんをアセスメントするときは1~6番までをザックリ診ていくと良いかもです。
慣れるまでは大変ですね。
参考にして頂けるとうれしいです。
1.緊急度の判定
・意識障害
・チアノーゼ ・発生困難 ・症状の現れ方 |
2.バイタルサイン
・血圧は低酸素血症で低下
・高二酸化炭素血症で上昇 |
意外と酸素の血中濃度で血圧に反応が見られることがおおい印象はありますね。
3.問診
・突発的か発作的か?
・慢性か? ・労作時か? ・持続しているか? |
問診するときは必要最低限の会話でおこなう。また、メンタル面での呼吸困難感もあるので安心させるような声かけが大切になりますね。
4.視診
・呼吸パターンが口すぼめ呼吸か?(COPDに特徴的な呼吸)
・呼吸数24回/分以上か12回/分以下か10秒以上の呼吸停止か? ・SPO₂の測定90%以下で酸素療法を開始。体位はどれが楽か?(起坐位・ファーラー位・側臥位)患者さんは無意識に楽な姿勢をとるので観察し援助する。 |
5.聴診
・どの部位でどのような異常音がするか?
・断続性か? ・連続性か? ・高い音か? ・低い音か? ・細かい音か粗い音か? |
6.随伴症状
・咳/痰→肺炎、心不全
・頭痛→くも膜下出血、過換気症候群 ・胸部不快/痛み→心筋梗塞、狭心症 ・めまい/四肢先端のしびれ→過換気症候群 ・浮腫→急性喉頭炎、アレルギー、心不全 ・嘔気→くも膜下出血 |
アセスメントをしながら、患者さんの呼吸が楽になるような関りができると良いので、そのことに関して書いた記事はこちらです↓興味のある方はぜひ読んでみてください。
呼吸困難で、まず行うべき看護は?【呼吸しやすい体位かどうか】
参考にして頂けるとうれしいです。
1.まずは呼吸が苦しい症状は3つあるということ。
2.呼吸パターンの特徴をおぼえておくと言うことなしです。
3.できるだけもれなくアセスメントして、緊急かどうかを判断できるようになれること。
今回のポイントは以上になります。
呼吸の困難感は、患者さんにとってつらい症状ですので早くアセスメントして少しでも楽にしてあげたいと思います。
そのためにはアセスメントのスクリーニングを自分なりにルーチン化しておくのもいいかもですね。
慣れるまでは大変だと思いますけど、慣れたら無意識に見れるようになると思います。
参考にして頂けるとうれしいです。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。