病棟では働きだすと、1年目は業務を覚えるのに必死ですが、2年目になると少し余裕が出てきますね。
少しずつ出来る業務が増えてきますので、ちょっとではありますが仕事に楽しさを感じることがあるからですかね。
最初は、出来なかった看護手技や技術も回数を重ねるうちに、出来るようになるのがその理由としてあります。
また、少しずつ自分の時間も持てるようになるので、充実したプライベートも送れるようになるのもあるのではないでしょうかね。
しかし、そんな時にやってくるのがケーススタディです。
2年目の看護師にとって次のステップとしてケーススタディは避けては通れない鬼門ですよね。
はじめてのケーススタディは何からやればいいか分からないことだらけです。
1.誰も教えてくれない
2.聞いてもそれぞれ役に立たないアドバイスしかくれない。 3.研修に参加してもイマイチ分からない 4.計画書を提出しないといけない |
ケーススタディの計画書の書き方について、解説していきたいと思います。
実際に僕の書いた計画書も公開していきますので、参考にして頂けるとうれしいです。
合わせてオススメ書籍も紹介していますので、興味のある方はみてみて下さい。
ではさっそくいってみましょう。
看護計画書を書くにあたり、考え方としては適当にやりこなそうとせず、しっかり計画書を書きましょうっていうことですね。
ケーススタディを書くにあたり、テーマを決めどんな看護を通して患者さんの反応や結果をケーススタディに書くのかをはじめにザックリ計画として、まとめる作業が計画書の内容になります。
ザックリと書きましたが、構成はザックリでいいですがしっかりとした仮説は立てるべきです。
ここで看護計画書について色んな疑問がわいてくると思います。
「なんで計画書を書かなければいけないのか? 「いつまでに書くのか?」 「どんなことを書くのか?」 |
などです。
ケーススタディでやることを明確化し、看護内容を計画することが目的です。
ケーススタディは最初が肝心で、決めたテーマをもとに、看護を実践して結果をまとめていきますが、あらかじめ計画書を作る段階で仮説を立てて計画書を書いていきます。
つまり、計画書が作成された段階で、ケーススタディの8割は出来たと言っていいぐらいのイメージをもってもらえるといいかもです。
ですが、実際どんな感じで計画を立てるとか書いていくとか、そんなことを教えてくれる人はいませんね。
病院で決められた期日にまでに提出します。
早ければ早いほどいいです。(提出しなくていいというユルイ病院もあります)
当たり前ですが、計画書を提出すると内容について修正アドバイスしてくれます。
ぼくの病院では、ケーススタディの進捗状況の中間報告として3.4か月後ぐらい)(11月ごろ)に一度提出することになってます。(6月ぐらいに指名を受けて発表が1月の予定です)
おそらく各病院で計画書の雛形があります。
計画書は指示にそって内容を埋めていく作業になります。
後で、実際に僕の病院の計画書の内容を公開していきますので参考にしてみて下さい。
また、どんなふうに書いていけばいいのかについてもこれから解説してきます。
結論から言うと、看護計画書の内容は「文献」を参考にして書いていけばこと足ります。
ケーススタディのテーマの決め方でも解説していますが、計画は一人で考えても思いつきませんし、誰かに相談してもしっくりくるものは得られないと言ってもいいです。
つまり、時間のムダになる可能性が高いので、過去の文献からよさげと感じるものを抜粋したり、言い方を変えながら書いていけばOKですね。
なぜかというと、そのテーマについて色んな看護師さんが取り組んできた看護介入や、援助をもとにするのは、根拠がしっかりしているし、その結果まで文献には、ほぼほぼ書かれているので、参考になります。
自分が立てた仮説に近い文献を参考にすれば、そのテーマや内容がおおきくズレるってことが無くなるからですね。
つまり、パックってしまえばいいわけです。
パクるというと語弊がありますので、参考にしてオリジナルな感じにすればいいです。
ですが、計画書を書いたり、ケーススタディに取り掛かるうえで不安が出てきますね。
たとえば以下のような感じです。
1.自分が取り組んだ内容で合っているのか?
2.方向性は正しいのか? 3.テーマからズレて間違ってないか? |
以上のようなことがあります。
なので客観的に評価できて、不安がない状態で取り組めると良いですよね。
文献の探し方については、他の記事にも詳しく解説していますので、気になる方は読んでみて下さい。
ケーススタディの看護テーマの決め方はどうするの?【方法を解説】
ここでは、僕が看護のケーススタディで作った計画書を公開します。
全然不十分ですが、参考までに良かったら読んでみて下さい。
看護研究・ケーススタディ計画書
所属:○○病棟 研究員:○○ ○○
【表題】研究のテーマ、最終的に変更しても良い
「慢性心不全患者が日常生活での心不全増悪の問題点を抽出し、再入院予防に必要な退院支援」
【キーワード】研究のキーワード。重要な単語や何度も出てくる単語がキーワードになる。
慢性心不全 再入院予防 退院支援
【仮説】看護研究から得られる成果を、簡潔的に述べる
入院期間中に慢性心不全にとって改善したほうが良い日常生活での問題点を洗い出し、本人や家族に改善点を知ってもらい適切な生活習慣なのかどうかの判断が出来るようになる。また、退院支援を通して個別的な心不全の病態を伝え、症状や身体的変化に気付ける情報提供をしていくことで、退院後は自分で健康状態を客観的に評価し、体調を自覚しながら生活でき身体的変化があった場合や気になった時は早めに病院に受診・電話相談するとか、または家族や周りの人に伝えることができるようになる。早めの行動に移せて再入院が減る。
【動機】研究をしようと考えた問題点や疑問点を挙げ、本研究を行う動機を現状と合わせながら述べる。
慢性心不全の再入院率がおおいのは、統計的にも表されています。
高齢者の慢性心不全患者は、日常生活の中で自分の症状変化を感じ取ることの難しさを抱え、個々が感じる症状変化も一様ではなく個別的なものであると推測される。(2012阿川ら)以上のことからも心不全の急性増悪で入院してくる患者の自覚症状は、急激な症状悪化がきっかけとなることが多い印象を受ける。その背景には、心不全の病態の特徴として緩やかに進行していることに気付けないことや、周りのサポート側も個別的な身体的症状の変化に注目するという個別的情報が与えられていないことが原因のひとつではないかと推測できる。
当院でも慢性心不全で入院や再入院をくりかえす患者はおおく、1年間で2回以上再入院となった患者は平成〇年〇月から令和元年〇までに〇人となっている。これは全国で示された統計通りの結果を当病院でも示していることがわかる。
再入院になる原因は日常生活での「塩分、水分制限の不徹底」が最も多く、順に「過負荷での運動」「治療内服の不徹底」などが問題の多くを占めている。
これは他のおおくの文献からも証明実証されている。
今後、高齢化は進むため慢性心不全の患者は増加していく傾向にある。
しかし、慢性心不全を持った高齢者の誰もが同じような再入院の問題点やリスクと思われる問題を抱えているとは考えにくい。その理由は、患者の持っている既往歴の多面性や生活環境の違い、はたまた認知面の影響があるため、生活習慣は似ている点もあるだろうが一様にまったく同じではないからである。
過去の文献から得られた、慢性心不全の増悪のリスクがある問題点から、さらに個別的に抽出し、リスト化して必要な退院支援を行っていく必要がある。
個別的に抽出することにより、漫然とではなくしっかりと問題点に着目でき、フォーカスすることで時間短縮や適切な看護介入が見えてくるのではないかと考えた。
また、いちばん身近にいる看護師が繰り返しフォーカスした問題点の改善を伝え介入していくことで、患者自身が体調を自覚でき、早期に健康状態の変化に気付くことができれば、重症化する前に病院に受診することができるのではないかと考える。
【目的】研究目的を、何をどこまで明らかにしたいのかを述べる。ここが原稿の「目的」の部分になります。
慢性心不全の患者が入院以前はどんな日常生活を送っていたかを明らかにして、慢性心不全の増悪の徴候や健康状態の悪化を示唆する問題点を提示する。患者には自分の健康状態を自己管理しながら客観的に把握できるような個別的な情報提供を行い、個別的な指導教育していく。また、キーパーソンや家族にも同様な働きかけを行いながら、患者の個別的な日常生活での管理面に必要な知識と慢性心不全についての情報提供と理解をしていただき、再入院予防につながる働きかけをする。その退院支援の提供によって患者本人が早期に身体的変化や体調不良の自覚に気付き、重症化しないための一連の行動がとれるようになることが目的。
【テーマの背景】先行研究を調べてクリティークした内容を含め、研究テーマの現状や研究対象の背景を述べる。
2025年に向けて高齢者の人口が増える一方で日本の総人口数は減少傾向になる。
慢性心不全の患者の増加が予測されるその一方では、高齢者を支える家族の支援は減っていくと予想される。厚生省での統計でも数字で推移が確認できる。
様々な文献研究からも慢性心不全患者の再入院はおおく、その対策や予防には患者本人の日常生活での健康管理の把握から身体変化への気付きが遅いことや自覚の乏しさが原因の一つであること、また内服の不徹底、飲水・塩分摂取量の不徹底が指摘されている。
(2012阿川らは)高齢患者がどのように身体変化を把握しているかを理解するためには、患者の身体に対する期待や理想、日常生活の中で感じる不都合さ、これまでの忘れられない極限の体験を手掛かりとして、日常生活のなかで感じている思いを聞くことが有効である。と述べている。
以上から、今回高齢慢性心不全患者の1症例に焦点を絞り、入念な聞き取り面談を行い個別的に必要な退院支援と患者が退院後の身体的変化を早期に気付き、訴えや症状を周囲に伝えるようにできるような看護介入、またキーパーソンに対して慢性心不全の病態に関する情報を提供し、個別的に必要な退院支援を含め日常生活で注目するべき観察項目をパンフレットを用いた看護介入を行った。
【研究方法】
- 研究デザイン:量的研究か質的研究、ケーススタディとなるのかを記入。
ケーススタディ
- 用語の定義
- 対象
コミュニケーション可能な慢性心不全患者で理解可能な認知状態であること。もしくはキーパーソンが患者の健康管理を把握していて、身の回りの生活支援を提供できる環境であること。自宅退院が予想される患者であること
- 研究期間
〇年〇月~〇月の期間中
- データの収集方法
本人とキーパーソンの家族から面接での情報収集、カルテからの基礎情報調査
- データの分析方法
面接による聞き取りとカルテからの情報収集にて情報を精査し、慢性心不全を悪化させる日常生活の有無や習慣がないかをピックアップし、正しい情報を提供するとともに理解度を聴取していく。
- ツールを使用する場合の信用性や妥当性の保証
- 倫理的配慮
【タイムテーブル】
研究計画書作成から、研究発表までのタイムスケジュールを記入する。
【引用・参考文献】
研究の動機や背景で使用した引用・参考文献を記入する。
【研究必要経費】
※【動機】や【背景】は、原稿の「はじめに」にも使えるようになってきます。研究計画書の段階でしっかり書いておくと、本文を作成していく時に楽になってきます。
実際、ぼくが提出したケーススタディの計画書です。
すべて文献から内容を引っ張ってきたものから参考にして作りました。
ザックリでいうと、8~9割を文献から参考引用して、1~2割が実際の患者さんのリアルな情報を当て込んでいる感じになります。
読みにくいと思いますし、それらしい内容になっているかどうかは意見が分かれるかもですが、これに似た内容を一人で計画書として考えて書くのは、非常につらいですし時間がいくらあっても足りないです。
効率よくパクっていきましょう!
これも結論から言うと、計画書は必要ないです。
ハッキリ言って計画書もいらないぐらい過去の文献からケーススタディは計画が立てられるので、わざわざ計画書を書く必要はないですね。
でも、病院で指定しているなら書かなければいけないと思うので、必要になってきます。
計画書は、書いてしまえばケーススタディの8割は完成したと言ってもいいぐらいの大事なものになるので、余裕を持って取り組みたい人は書いておくことをお勧めします。
個人的には必要ないですけどね。
ケーススタディの看護の計画書の書き方についてその必要性や、内容について解説していきました。
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