ラパコレ術後で看護するならまずは嘔吐するかをPONVで予測すること【合併症を防ぐ】

今回は、ラパコレ(腹腔鏡下胆のう摘出術)の看護について経験したことを書いていきます。

ラパコレは外科系ではとても多い手術です。

なので術後の観察や看護をする際、よく遭遇するので注意しておいた方がいいことがあります。

術後の嘔気・嘔吐ですね。

この症状は状態が良好でもよく起こりうる症状なので、事前にリスク回避したいところなので、参考にしてもらえるとうれしいです。

術後の看護に関するオススメ記事はコチラ⬇️

この記事を呼んだら分かること

  1. ラパコレ術後の概要(経験談)
  2. 術後合併症のPONVが分かる

また、おすすめ書籍も紹介してますので、よかったら見てみて下さい!

では、さっそくみてみましょう。

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ラパコレ術後の看護では、嘔気・嘔吐のリスクを予測できますよ

とりあえず、ラパコレについてですが、そもそも医療技術が発達して出来るようになった術式です。

腹腔鏡下胆嚢摘出術のことですね。

ラパコレの適応は、開腹か腹腔鏡下かに分かれます。

開腹での手術を薦められればそれなりに病状は悪化しているし、術後の合併症のリスクも高くなるということが言えるんですね。

あくまで腹腔鏡下で手術可能ですと言われる場合は、軽症で術後の合併症も比較的気にしなくてもいけるんじゃねっていうことになるんすよね。

もちろん、腹腔鏡下と開腹の侵襲の違いからも開腹が体にとって負担が大きいのは容易に想像できますしね。

術後の嘔吐は、看護で前もって予測できた?

腹腔鏡下のラパコレ術後の患者さんがいきなり嘔吐してしまってビビったことがありましたんで、それについて書いていきます

【患者情報】

いたって健康な40代後半 女性 体格は大柄。

既往歴は HT(高血圧症)

高血圧HTについて書いた参考にして頂きたい記事はコチラ⬇️

術前は順調にいきまして予定通り開始しました。

術中では癒着が多少あったものの問題なく終了して胆のう摘出されています。

摘出時に一部胆汁が漏れたようですがキレイに洗浄しドレーンが肝床下に留置されていました。

術後創痛が強くアセリオフェンタニル(オピオイド)を追加があってます。

ですが、覚醒も悪く何かで覚醒を促進させて無事終了です。

入室から帰室まで約2時間半で帰室、覚醒も良好で会話も成立し、創痛は自制内。

酸素もカニューラで2L持続。点滴はヴィーンF。0時までに残3本ソルデム500ml系(4時間4時間3時間で時間振り)発汗が著明でしたが笑顔も見られ安心されている様子でした。

膀胱バルーン留置にて混濁なく乏尿もなく経過してます。

術後知っておきたい尿閉に関する記事はコチラ⬇️

帰室後、1時間後ぐらいから創部痛が増強し嘔気も出てきていたため、アセリオを追加で点滴追加しその後疼痛軽減していました。

疼痛スケール(NRS)は5→1に軽減。創痛軽減に伴い嘔気も消失しました。

尿測では帰室後2時間で1300ml、4時間でトータル1750ml流出。

呼吸状態や循環状態酸素化も問題なく経過していました。気になる点と言っても発汗と疼痛の持続とあと口渇ぐらいです。意識の低下無く、覚醒状態も良好でしたから酸素は2Lから1Lへ減量。

で、帰室後4時間後ぐらいに訪室したときに患者さんから下記

「気分が悪くなってきました」

「吐きそうかもしれない」

という返答。

急いでプリンペランのivの準備、もう一度訪室したときには嘔吐されていました。

ガーグルベースンを用意していなかったため病衣と肌着が汚染してしまいました。(吐物は胃液様)

吐いた後、プリンペランのivも行たのも効果があったのか徐々に落ち着いていきました。

バイタルの著変もなく夜勤さんにバトンタッチしました。

嘔吐の原因として考えられるのは下記ぐらいでしょうか?

手術の影響

全身麻酔の影響

抗生剤の副作用

術後の痛み

ストレス etc

ハッキリわかりません。

思い返すと腸蠕動音は聴取不可でしたので腸もまだ動いていない状態ではありますけど、分からないので調べてみるとそれっぽいのが見つかったので振り返り。

術後合併症の「PONV(ポンブ)」と看護は?

PONV(ポンブ)とは、術後の悪心・嘔吐のことで頻度は25~30%。

日本ではあまりなじみがないようですが、海外ではエビデンス的にもガイドラインがあってリスク因子があります。

  • 患者因子:女性、乗り物酔い、非禁煙者、若者、片頭痛持ち
  • 麻酔因子:揮発性麻酔薬(セボフルラン、イソフルラン)、笑気(亜酸化窒素の使用)、長期に及ぶ麻酔時間、術後のオピオイドの使用
  • 手術因子:胆のう摘出術、腹腔鏡下手術、婦人科手術

これをさらに単純化して4台リスク因子

  1. 女性
  2. 乗り物酔い・PONVの既往
  3. 非喫煙者
  4. 術後のオピオイド使用

これら因子の数が0,1,2,3,4とあるとPONVの発症頻度は

10%・20%・40%・60%・80%になると報告されています。

予防は、制吐剤の使用です。オピオイドを使った患者さんには制吐剤も一緒に投与しようという考えですね。

目安としては、40%を超えてくるようなリスク患者には積極的に制吐剤の予防投与をしましょうって言われています。

ただ、日本ではまだガイドラインが存在しない為アメリカで推奨されている制吐剤が使用できずにいるのが現状のようですね。

まとめ

ということで、今回の僕が担当した患者さんをPONVに当てはめたところ、少なくとも3つか4つ該当したので、60%以上のの確率で嘔吐するということになります。

制吐剤の使用で予防するようですが、看護としては嘔吐を想定して準備しておくことは出来ます。

  • ガーグルベースンを準備しておく。
  • 患者さんに可能性として伝えておいて変化があったら早めに教えてもらう。
  • 医師に指示を確認しておいて対応を早く行う。

これを踏まえて次は同じようなことにならないように看護していきます。

最後まで呼んでいただきありがとうございます。

ナースマン

病棟で働く「老後を豊かに暮らすべく、お金を増やすためのマインドを大切にしている」ナースマンです。

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