鼠径ヘルニア手術後の看護を勉強しておくと外科術後で困らなくなる

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鼠径ヘルニア手術後の看護を勉強しておくと外科術後で困らなくなる

鼠径ヘルニア手術後看護は超重要!最初に覚えるべき術後看護のひとつです。

看護業務の中で術後看護って何を観察して何を看護して行ったらいいか分からないってことないでしょうか?

私も最初のころは、病棟業務を必死で覚えながらも術後管理や看護についても学習していかなければいけなかったのをよく覚えています。

休み明けに出勤したら、「今日は術後の担当」が何回もありました。

また、外科手術って予定が急に決まったりするので事前学習ができなかったり、どんな手術があるか分からないことが多いので、実際担当してから学んでいくことが多いです。

もちろん術後マニュアルもありますし、クリニカルパスに沿って経過を見ていけば何も大きな問題はないのですが、最初は戸惑うことが多いのも事実。

なのである程度、術後看護って何を観察して看護して行ったらいいかについてを鼠径ヘルニアの術後看護を例に分かり易く解説していきます。

なぜ鼠経ヘルニアかといいますと、外科疾患の中で比較的やさしくてトラブルも少なく症例頻度的にも多いので最初に学習しておく症例としては適切だと思います。

鼠径ヘルニア手術後の看護をある程度理解していれば、その他の外科疾患も新人でも十分に見れると思うのでとり上げさせていただきます。

鼠径ヘルニアの手術適応は膨隆の程度と症状を観察していく

鼠径部鼠径ヘルニアの手術適応になるかどうかは「局所の膨隆」の観察だけで、なにも他に症状がなければ経過観察になります。

定期的(6ヶ月~1年に1回の受診)に膨隆の大きさや痛みの症状出現がないかを確認すればいいという感じです。

余談ですけど経過観察中でもヘルニアバンドというものがあって、腹部にベルトみたいなのを巻いて圧迫固定することによって脱出を防ぐ方法もあったけど、根治はおろか圧迫による皮膚障害を引き起こしてしまうという残念な結末になっております。

というわけで全く意味がないと分かり、使用すべきではないとなってる。

鼠径ヘルニアの手術適応は?

手術適応はというと、ヘルニアが嵌頓を起こしてからの時間経過をもとに判断します。

時間がさほど経ってなくて皮膚の上から用手的整復して元の場所に戻れば待機手術になります

待機手術は緊急性は少ないですがヘルニアを起こすと激痛を伴います。

ですが用手的にヘルニアを元に戻すことができるためそのまま何もしないでおく人もいます。

でも繰り返したり放っとくといずれ腸管壊死を起こしてしまう可能性があります。

慌てて手術する必要はないけど、将来的に腸管の絞扼状態が悪化するリスクがあるため待機手術となります。

腸管が用手的に戻らず嵌頓してから時間が経ってしまうと、その場所が壊死している可能性があります。

その場合は無理に整復せず緊急手術の適応となります。

鼠径ヘルニア手術の入院と観察・離床は?

手術の入院から経過については、教科書を読むと、入院期間は1~3日間とかいてあります。

しかし、この場合リスクがなくすごく順調な回復の時のみだと思います。

実際、鼠径ヘルニアの手術をされるのは高齢者が多く、術後トラブルがあったりすることの方が多いので、術後1週間~10日間は見ておいた方がいいと思います。

退院については医師の判断によるので、患者さんの気持ちだけでは退院できないんですね。

術後トラブルというのは、例えば疼痛コントロールがうまくいかず術後せん妄を起こしたり、吐き気が自持続して食事が摂取できなかったり、発熱が出たりとかがあります。

術後せん妄について分かり易く解説してある記事はせん妄予防のHELPは少ないけどエビデンスがベースだよをご参照ください。

術後吐き気がある時の詳しい記事はラパコレ術後で嘔吐するかをPONVで予測する方法は?をご覧ください。

術後発熱について何がヤバいかについて書いた記事は術後発熱のタイミングでヤバいかどうかが分かるを参考にしてみて下さい。

オペ患は前日入院して検査三昧・夕食後から絶食。翌日、早朝より絶飲水・入室30分前にルート確保という流れになります。

確認事項はもろもろありますがざっくりいうと最終飲水時間、排便・排尿時間・バイタルサイン。血栓予防のため弾性ストッキング着用ってところ。独歩にて仲良く一緒に手術室に向かいます。

手術時間は1時間程度です。

手術から戻ってきたらまず観察することとしては「意識・覚醒の程度」を確認します。

そのまま病室にて「モニター管理しながらバイタルサイン、呼吸状態、循環状態、お腹の動きの有無。意識レベル、創部痛、出血の有無、尿量、麻酔の効き具合」を観察していきます。

麻酔は腰椎麻酔で行われることが多く、手術後は覚醒後両下肢の感覚鈍麻の程度を確認しながら麻酔の回復経過をみていきます。

ポイントは臥位のままで「膝立て」が出来るようになるかです。

飲水は術後大体4時間ごろが目安。

点滴は維持液をメインに抗生剤の点滴を行っていきます。点滴は水分量を確保しながら翌日の朝までつなぎっぱなしです。

もちろんバルーン留置もしてますので尿量測定をして乏尿になってないかがポイント。尿の性状も観察していきます

術後に観察するべき尿の性状については術後痛がる患者と尿閉時の対応のまとめをご参照してください。

食事は回復が順調であれば翌日の朝から常食となります。

術後は酸素を投与したまま帰ってきます、経過が良ければ午後には酸素を減量方向にしていき遅くても翌日の午前中には酸素オフ・モニターオフ・点滴抜針終了・バルーン抜去して自力トイレ移動の確認。シャワー浴もしくは清拭、更衣介助しつつある程度ADL確認したらもうそのあとは、午後からガンガン離床させることになります。

術後1日目の経過が順調ならもちろん入院期間も短くなります。

鼠径ヘルニア手術の看護

そもそもヘルニアという名の付く病気は発生場所によっていくつか種類がありまして、一般的にヘルニアというと腹部のことを指すみたいですけど腰椎でも起こるし、脳もありますからね。

腹部でも鼠径だけでなく大腿・臍・腹壁瘢痕なんてのがよく聞かれます。

つまり、ヘルニアと言っても分類がすごく分けられていてどこにヘルニアを起こしているかによってみていく看護も違ってくるということです。

なんでもそうですが、看護では患者さんが手術を安全に安心して受けられ、かつ満足した状態で帰れるように援助することになります。

ヘルニア手術でのポイントは、術後の合併症と腹圧の理解に重きを置きたいところであります。

術後の合併症についてまとめた記事は術後痛がる患者と尿閉時の対応のまとめを読んでみて下さい。

鼠径ヘルニア手術での患者の理解度

つまり何を目標に挙げるかというと

  1. 患者さんがちゃんと手術について理解している。
  2. 腹圧が予防になるかを理解している。
  3. 患者さん自身が自主的に行動できる

ヘルニアで一番注意したいのが腹圧の上昇みたいなんすけど、便秘でいきみ過ぎたり、重い荷物を持ったりしちゃいかんわけで、つまり努責がかかるような動作は避けるということになります。

なので、普段から便秘傾向である人なら食生活の見直しも必要になってくるでしょう。仕事やスポーツとか趣味の内容によっては注意しないとってのも理解してもらったら割と簡単に行動に移せるんじゃないかなっていう話。

また、くしゃみとか咳も腹圧の上昇に関係するので「患部を軽く手で押さえながらしましょう」とか、階段の上り下りとかもそうだし、長時間立ちっぱなしも良くなよ~って伝えることは沢山あるわけです。

問題は、一生懸命伝えて説明しても本人の理解度に大きく偏りが生じてしまうことなんすよね。たぶんそこに術後管理の難しさというか・・フィードバックが欲しいところですね。

鼠径ヘルニア手術後の看護は?

続いて鼠径ヘルニア術後の看護についてすけど

  1. 創部の観察
  2. 合併症の予防
  3. 疼痛コントロール

この3つが看護のするうえでポイントになろうかと思います。

創部の観察は、術後出血をいかに早く見つけるかにかかってますんで早期対処に繋がるような予測や変化に気付きたいものです。

それか、「これなんや?」と思ったら先輩看護師に相談します。

術後の合併症で注意して観察しておきたい項目は、「陰嚢部の腫脹」で急速な増大をみたら動脈性の出血も考慮しとかなければやばいです。報告しましょう。

あとは、感染徴候の観察です。

疼痛コントロールは、ベッドサイドでの援助として痛みが和らぐ体位や頭部のギャッチアップ、起きる時は腹圧に気を遣うんでいったん側臥位になってから上肢で上体を支えてながら起き上がる。という援助をする。

以上、「鼠径ヘルニア術後のことを勉強しておかないと外科術後の看護で困ることがたくさん出てくる」でした。

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