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バイタルサイン測定のデジタル化には依存すると痛い目に合う
病棟では検温がルーチン化します。
殆どの病院や医療機関ではバイタルサインの測定を医療機器で行うことが多いですよね。
昔は、デジタル機器が少なかったので、今でこそ電子血圧計・電子体温計・パルスオキシメーターは検温時の必須アイテムになってます。
このデジタル化に伴ってよりバイタルサイン測定が簡便となりました。
勝手に測定してくれるためスピーディーになり一人にかける時間も短縮されました。
しかし、ここで問題が。
本当にデジタル測定は信じていいのかについて書いていきます。
デジタル機器って本当にいつも正しい数値を表示してくれているのか?
簡便にバイタルサインの測定が出来るようになったけど、その数値に疑問を持ちながら看護やアセスメントを行わなければいけない事態となってます。
当たり前ですが器械ですのでそうなります。
よくあることですがバイタルサインの測定の時、結構おかしな数値だった時やエラーが表示されたときのストレスって多くの看護師が感じてることだと思うわけです。
例えば、体温でも血圧測定でも1回目に異常値で、患者さんの見た目は特に問題なさそうな時ってよくありまして、2回目を測定すると案の定正常値みたいな。
最近似たようなことを経験したので紹介します。
その患者さんは、高齢で下痢が続いておりまして絶食の指示となってましたので点滴で補液をしている状況。
下痢が続いて絶食中なので、起こりうるなら脱水症の症状ですかね。
頻脈や発熱、倦怠感など。
重症化してくれば神経症状から筋肉のけいれん意識に関わる症状が出ると思います。
その日の患者さんはいつも通り会話も返答があって少し倦怠感がある様子。
パッと見、ぐったりはしてるけどいつもと変わらない印象。
実際のバイタルサイン測定値
- 血圧120/70mmHg台
- 脈拍44回/分
- 体温36.8℃
- SPO2 99%
どう見ても異変はないし、今後急変するリスクはないと思うが、なぜか脈拍だけは40台の徐脈。
徐脈の症状
徐脈の主な症状はめまい、失神、疲労感、息切れなんかが考えられます。
つまり、心疾患からくる原因が徐脈を引き起こすことが多いんだと思うんですよね。
でも、既往歴も心疾患を疑うようなものはないです。
ただ、徐脈で表示が出ている以上そのままにしておくと万が一急変してしまうこともゼロではないので実測値をとって測定すると・・・
結滞はあるけど66回/分。
ん~やっぱりどうもない。
ってことで、異常ではない数値なので血圧計時に不具合が生じたかもしくは結滞に対してカウントしなかっただけか、となりますな。
いつもは60~80台で経過していただけに疑問が残る。
血圧計も古いタイプっていうのもあるですけどね~
まあ、とりあえずその後その患者さんは何も起こらず経過してたから問題はないという結論。
今回は正常値が異常値に表示されたケースなのでまだいいですが、
これが逆のケースだったら大変なんですね。
つまり正常と出てるのに実は異常値の場合。
体温なんかも時間差そんなにないのに誤差がひどすぎることってよくないですかね?
デジタル化したからこそ依存し過ぎてはいけない
データーって大事ですけど所詮器械がしてくれてるだけなので、そこに落とし穴があるということを認識しておかなければいけません。
間違った情報を記録することになってしまいます。
つまり、患者さんの異常や異変に気付けなかったりする可能性がある。
再検や別の測定方法が必要になったり、違ったアセスメントをして根拠を探すことになる。
簡単で、早く検温できるメリットの裏側にはデメリットもあるんだということを念頭に入れて看護に活かしていかなければいけません。
医療機器やデジタル化に依存しすぎると痛い目に合うかもよって話でした。
まとめ
病棟の検温業務はほぼ医療機器で行いデジタル化しています。
しかし、果たしてすべて正確な情報が収集できているかというとそうではないのが現実。
新人の私はまだ流れでしているところがあるので注意が必要です。
簡便化されて流れ作業にならないように患者さんを診ていかないと、いつか見過ごしてしまう可能性があるので便利になったからこそ、一人ひとりに向き合って看護に活かしていかなければですよ。
デジタル化に依存しないよう確かな目を持つことが大切だと感じます。
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