輸血をする時の看護と手順についてです。
「これだけ知っておけばいいよ〜」ってことを分かりやすく解説します。
なぜかというと
輸血は、貧血の是正とかでよく行われたりすますね。
つまり、頻繁にあるわけではないんですね。
病棟にもよると思うんですけど、たまにしかないです。
そうすると忘れた頃に出て、つい輸血時の看護手順とかパッと出てこない。
「手順どんなだったけな?」てな感じで記憶がおぼろげだったりすることがないですか?
ってことで、どんな流れで輸血するのか、僕の病院での実施内容を1つの一例として分かりやすく解説してみますね。
参考にしてもらえたら嬉しいです。
- 輸血の看護手順を分かりやすく解説
- 輸血の手順のコツ!これだけ知っていれば大丈夫って話
では、みていきましょう。
目次
輸血で知っておきたい看護の手順は、輸血開始までの一連の流れを理解することから
輸血の看護手順は、段取りから考えるとスムーズに理解できると思います。
どういうことかというと『輸血が必要となったら、どういった経緯で実施までいくか』ですね。
一個ずつ解説していきます。
まず、医師の判断で輸血をするかが決められます。
たとえば、貧血がすすんでて血液データがよくないときですね。(ほとんどがこのケース)
ほかには、消化管の出血が止まらないとか、何処かからの出血があって輸血しないといけないケース |
などがあります。
では、「輸血をするぞー」ってなったらそのまま医師がオーダーを出してすぐ輸血!
とはなりません。
順番があって段取りがあります。
気が焦りますけど、流れがあるんですね。
まず何を考えるかというと(看護師が理解すること)
- 輸血をするための同意書が必要であること
- 輸血適応であることを本人または、家族に同意をとること
- 同意を取るのは医師なので、家族に病院に来てもらって病状説明するということ
- 看護師は家族に連絡を取り、病状説明(IC)の日時を調整すること
- 緊急を要するときは、医師から直接家族に電話で説明し同意をもらておいて、後日輸血の同意書にサインをもらうケースもあるということ
- 家族が来れないまたは、都合がつかないときは電話での病状説明もあるということ
本人や家族の同意がないと輸血できないことを理解しとくとは、全体把握にとても有効です。
もっとカンタンに理解しとくことを要約すると
『家族に連絡して病状説明をセッティングし、輸血の同意書にサインをもらう』 です。 |
輸血をするには必ず事前に同意書を取ることになるんですね、この手順がクリアできてないと輸血が出来ないことを念頭に入れておきます。
輸血前の血液検査クロスマッチ(青色スピッツ)
では、「輸血するぞー」となった時に必ず「この患者さんに輸血しても大丈夫か?」っていう検査が必要になります。
血液型の判定とクロスマッチと言って、使われる輸血と患者の血液を混ぜて反応を見る検査をします。
クロスマッチで副反応が強いと、悪い影響が起こるリスクが高いので輸血はしません。
ショックを避けるわけですね。
青色のスピッツが専用スピッツなんですけど血液型を確認する目的もあるんです。
輸血で看護する手順は、投与までの確認作業をしっかり行えていれば良い
同意が取れて、輸血が揃ったらいよいよ実施になります。
実施前にする看護手順で大事なのが『誰と確認し何を確認するか』です。
まず、検査室に輸血を受け取りに行き、検査技師との確認作業(ダブルチェック)しサインをもらう。
検査技師が輸血を準備しているので、取りに行った時に物がただしいかの確認をするんですね。
夜間で検査技師がいない時は看護師間でダブルチェックして、サインをもらいます。
次に、主治医とダブルチェックしサインをもらう。
という手順を踏みます。
注意することは、主治医がどこに居るのかをチェックしてから動かないと中々捕まらなかったりして困ることがあります。
実は「病棟に居たっ」てことになりかねないんであらかじめ探す目処を付けとくことで時間短縮で無駄を抑えることができます。
あと、主治医が当日休みで居ないとかもあるんで事前に情報収集の段階で他のドクターでサインをもらってよいのかってのを確認しときます。
輸血を投与するまでにしなきゃいけない確認作業ですね。
なので、ここはしっかり間違いがないかチェックすることを認識しといたほうがいいです。
輸血実施に向けてカンタンに要約すると
『輸血バックが間違いがないか、検査技師と医師に確認するという段取りがある』 |
輸血バックに記載されている項目をダブルチェックで確認する
では、輸血バックの何を確認(ダブルチェック)していくのかについてです。
確認項目は以下の通りですね。
輸血バックに記載されているので、覚える必要はないですね。
落ち着いて順番に上からみていけば大丈夫です。
- カルテ番号
- 患者氏名
- 製造番号
- 輸血の種類
- 製造年月日
- 照射日
となります。
検査室からクーラーボックス(輸血保存用)と輸血用のルート(専用ルート)を受け取って病棟に戻る。
輸血の準備と実施は何があるのか?
確認作業が済んだら、あとは患者さんに輸血するだけとなりますね。
なので、投与までの流れと手順を解説しておきますね。
まずルート内に血液を満たす。(慣れない時は一人で行わずに先輩に見てもらいましょう)
準備するものとして、以下を参考にして下さい。
- サーフロー針(22G以上のぶっとい針が良い)
- ロックルートは不要(ただし、連日輸血を予定する患者は使用する)
- 駆血帯
- 固定用のテープ
- 生食100mlボトル1個(最初の血管確保用で使います)
- 日赤の輸血観察用パスシート
- タイマー
- 血圧計・体温計・SPO2モニター
- 電カル
用意する物が整ったら、患者の元へ行きます。
パスに名前と開始時間、症状チェックリストに沿って問診しバイタル測定します。
生食でルート確保出来たら輸血を落としていきます。
最初はゆっくり落とし、5分後バイタル測定する。
異常がなければそのまま10分後にバイタル測定と問診フィジカルアセスメントする。
最初の15分間は離れずその場で観察します。(よくある変化としては高熱が出る方がいるようですが、出ても中止になることはないようです。)
発熱時も主治医には速やかに報告します。
蕁麻疹や呼吸苦など、もっとヤバい症状が出た場合は一旦止めて即主治医に連絡して判断を仰ぐのが鉄則です。
僕の周りでは、そんな患者さんに当たったことはないとは言っていましたけどね。
開始直後の副反応が早ければ早いほどヤバいので、十分な観察は必要です。
輸血の副作用についてオススメ記事はこちら⬇️
15分間の観察の後は15分後に訪室し、バイタルと異常がないか問診や視診します。
変わりなければ30分後に訪室。
1時間後に訪室。
ここまでで輸血開始して2時間です。
終了の目安は2時間となっていまして、滴下も5分後くらいからスピードを調整していきますね。
きっちり2時間で落とす必要はないです。(だいたいで大丈夫)
輸血終了時に訪室し、バイタルチェックする。
最初に使った生食100mlに切り替えてルート内の血液を落としながらフラッシュします。
生食100ml全て落とす必要はないです。
ルートを抜針して1時間後に変化がないかバイタル測定と問診。
パスに沿って終了したら、記録する。
パスは輸血の製造番号のシールを貼りそのままスキャンボックスへ投函する。
まとめ
僕の病棟で行われている輸血の大まかな流れです。
病院そこそこでやり方は違うと思いますが、参考になれば嬉しいです。
では、最後にポイントをまとめま〜す。
- 輸血をするには、必要な段取り『同意書がいること』を理解しておきましょう。
- 輸血バッグに間違えがないかダブルチェックをする際のポイントを押さえておきましょう『誰とするか』
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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