認知の区別は難しいと感じませんか?
認知症は、より理解をふかめていくことで「認知の適切な対応や看護ができるようになる」ということが専門書にはよく書かれています。
たとえば以下のようなことが書かれています。
・認知症は分類ができて理解ができるようになるとおおらかな対応ができるよ! |
でもなかなかできないのが現場での現状ですよね。
認知症は、いくつかの原因疾患からさまざまな症状をあらわしますが、中核症状がもとになっています。
中核症状について詳しく、分かりやすくまとめた記事はこちらです。 |
つまり、認知症の人を看護していく上で分類するってことは、必要なことなんですよね。
なので、認知症の種類と症状について分類したものを提示していこうと思います。
この記事では、以下のことを心がけて書いています。
また、関連書籍も紹介してますので、良かったらみてみて下さい。
では、さっそく見てみましょう。
認知症の種類と症状はたくさんありますね。
大きく分けると4種類の認知症があり、症状にいたってはどの認知も似たり寄ったりの症状だから、分類がむずかしい。認知症があるかないかで判断しているのが現場の看護ですね。
マジメな話になりますけど、何が原因で認知症があるのかないのかを理解して看護することを意識したら、ちょっとだけど違う視点で見ることも出来てくる。それによって看護の質もブラッシュアップされると思うんですね。
なので、あまり興味のない人にはおススメしないけど、ぼくなりの価値観で認知症を区別する意味は、有効なんじゃないかということを伝えていきたいと思います。
それぞれ表を使って分かりやすく解説していきますね。
むかしは、ほとんど脳血管が原因で認知症の症状がおこると考えられていました。
でもその理由は、よく解明されていなかったからで、現在は医学の発達とともにきちんと分類されています。アルツハイマーの次に多いのが脳血管からくる認知であるということです。
血管性認知症 | |
現れる症状 | 「記憶・言語・歩行」の障害があり、しびれ、めまいなどもある |
原因 | ・脳梗塞(血管に血の塊ができて詰まる)、脳出血(血管が破けて出血する)
たとえは、クモ膜下出血などによって、脳に栄養と酸素が行きわたらなくなり、神経細胞が死んでしまって脳のはたらきが悪くなります。 |
治療方法 | さらなる悪化を助長する高血圧、糖尿病、脂質異常症などの改善をします。そのほとんどは薬物療法になりますね。
発症直後は、血腫を除去する手術や、血の塊を溶かす治療が行われ、その後は麻痺などの症状を改善するためのリハビリが中心になります。 |
たとえば、既往歴に脳梗塞や、脳の疾患がある高齢者だったり、ちょっと認知面で怪しいなと感じたら血管系からくる認知症の可能性があります。
まだら認知症とは?症状のムラのことです。【脳血管性認知症】
看護のポイントとして解説した記事はこちらをご覧ください。 |
外傷による認知症は、原因を取りのぞけば症状はなくなります。
それが外傷による認知症の特徴ですね。
なので、慢性硬膜下血腫なんかはとくに、数カ月前の出来事のなかに頭部を強く打ったことを忘れているケースもないこともないので、注意が必要ですね。
CT検査であきらかな血腫が見つかれば、外傷による認知症といえる。
慢性硬膜下血腫 | |
現れる症状 | 頭痛、歩行障害、運動麻痺、意欲低下、見当識障害など
ハッキリ言って脳機能障害の症状です。 |
原因 | 頭部の外傷後、頭蓋骨の内側で、脳を包んでいる硬膜と脳の間に血腫が溜まり、その血腫が脳を圧迫して、吐き気、嘔吐、半身まひ、言語障害などいろんな症状を引き起こします。
高齢者におおく、本人が気付かない程度の、ごく軽度の打撲で起こることもあります。 |
治療方法 | 打撲直後では頭部CTで異常が認められないことが多く、確認できないことが大半です。
3時間から数か月後に、血腫がCT検査で確認できた場合は、外科手術を行います。 |
正常圧水頭症 | |
現れる症状 | 初期:歩行障害、尿失禁、頻尿、注意力・意欲の低下による無気力など |
原因 | 脳と頭蓋骨の間に流れている脳脊髄液が、脳の中心部にある脳室にたまり、脳室が圧迫して発症します。 |
治療方法 | 初期は外科手術(シャント)で脳の髄液を排出します。
発見が遅れると、脳の損傷が進み、治療効果が無くなることがあります。 |
髄膜炎なんかでも、髄膜の炎症のせいで認知面の機能低下が起こって異常行動や支離滅裂なことを言うことがあります。
認知症状は、脳機能の異常で起こっているということが、よく分かりますね。
脳腫瘍は、言うまでもなく脳を圧迫して障害をおこさせるわけですね。
脳腫瘍 | |
現れる症状 | 慢性頭痛、吐き気、嘔吐、視覚異常、手足のしびれ、言語障害、てんかんなど |
原因 | 頭蓋骨の中にできる腫瘍で、脳内の細胞が腫瘍となる原発性脳腫瘍と、
脳以外でできた腫瘍が転移した転移性脳腫瘍があります。 |
治療方法 | 脳腫瘍の摘出手術や放射線治療などを行います。 |
脳腫瘍も原因を取り除くことができれば、症状は改善していきます。後遺症は残る可能性もありますけど
現在いちばんおおい認知症がアルツハイマー型認知症です。
脳が全体的に縮小してくると少しづつ認知面の低下がおこってきます。
年齢的に歳を重ねるとともに脳も少しづつ萎縮してくるので、予防が大事ですね。
たとえば、読書、スポーツ、コミュニティーへの参加、新しいことへの学習などは脳機能が萎縮せずに、成長していくことが研究で解明されています。
たとえば、超高齢者の中でも読書をしていたりする人は、しっかりしている人がおおい印象がありますよ。
アルツハイマー型認知症 | |
現れる症状 | 初期:記憶障害、遂行実行機能の低下など。
中期/後期:見当識障害(人、時、場所などが分からなくなる)、視空間認知(見たり聞いたりしたことを把握する能力)の衰えなど。 |
原因 | 脳内でアミロイドβが蓄積したり、またタウたんぱくが変性して、神経原繊維変化が起きることで、脳の神経細胞が損傷され発症すると考えられています。 |
治療方法 | 進行を遅らせる目的で、薬物療法(ドネペジル塩酸塩:商品名アリセプト他)などを行う場合があります。
完治は難しくても、進行を穏やかにすることは可能です。 |
レビー正体型認知症 | |
現れる症状 | 幻覚、睡眠中のせん妄、妄想。進行後は、手足の震え、身体の硬直、動作の緩慢さなど。 |
原因 | たんぱく質(レビー小体)が、神経細胞内に蓄積して毒性を持ち、神経細胞を死滅させることで発症すると考えられています。 |
治療方法 | 進行を遅らせる目的で、薬物療法を行う場合があります。 |
前頭側頭型認知症 | |
現れる症状 | 人格の変化など(初期には記憶障害はあまり強くあらわれない場合が多い)。 |
原因 | 脳の前頭葉、側頭葉が萎縮します。
前頭葉は、思考、行動、言動、意欲など脳の中枢的な働きをしています。 側頭葉は、言語の理解、記憶、聴覚、臭覚などを司どっています。 |
治療方法 | 症状を緩和する目的で、薬物療法を行う場合があります。 |
アルツハイマー型認知症は全体の6~7割を占めていることが分かっていますので、ほぼほぼ認知症はアルツハイマーかなっ?て疑っていいとおもいます。
ただその中で、ちがう原因からおこってる認知症もあるってことを理解しておいて、少しずつ理解を深めていけばいいと思います。
今回は、認知症について症状は原因の種類によって区別してますよってことを書いていきました。
まとめると下記のことになります。
参考にして頂ければ嬉しいです。