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アナムネをとる時の看護に必要な入院業務は?
【忙しい夜は要領OK】
準夜勤とか深夜勤帯の入院が入った時はアナムネなどの看護の仕事がホントにやること多くて大変です。
僕は毎回、入院患者さんがいつなんどき上がってくるかビクビクしながらルーチン業務を行っています。
夜勤の仕事を入れてもらえるようになった当時は、入院が入るとパニックになってたのを思い出しますね。
「どうしよう、どうしよう!」って感じになってやらなければならないアナムネとか看護をすっ飛ばしたり、一人でから回りながら休憩もとらずに仕事をしていました。
はじめの頃はどうしてもアナムネとか情報収集とか記録もそうですけど、時間がかかりますから仕方がない部分はありますよね。
しかし、入院でのアナムネや看護を急がなければいけない夜間帯とか人手が少ないときは、慣れが必要で要領よくこなしていく必要があるのでは?と思います。
なので、忙しい時に必要な最低限のアナムネのとる要領やら、これだけは抜かしてはいけないよ!といった入院業務について、それぞれ病院のやり方やシステムなんかの違いはあると思います。
でも、本質的なアナムネ入院看護業務について、僕の経験からお伝えできる範囲にはなりますが、少しでも記事を読んで入院業務について参考にして頂けたらと思います。
この記事を読んで分かる内容は以下の通りです。
- 1.夜勤での入院に必要な看護の仕事が分かる
- 2.アナムネを取るときに逃してはいけないタイミングが分かる
- 3.必要な入院書類が分かる
- 4.入院で行う優先順位が分かる
では、さっそく見ていきます。
準夜勤の時、尿管結石の腎盂腎炎疑いにより入院になった患者さんがいました。
僕の病棟での準夜勤は、勤務時間が16時~夜中の1時まででして、受け持ちはないものの深夜勤さんの負担を軽くするためのフォロー的存在です。で、今回19時ごろ救外から入院の連絡が入り僕が入院を取ることになったわけです。
アナムネとか看護の仕事は?入院患者さんの患者情報はいつとるの?
結論から言います。
アナムネで必要な情報さえ聞き取りできてしまえば、後は何とかなります。
入院患者さんが病棟に上がってきたら、部屋に案内したあとに外来看護師から申し送りを聞きます。その後に患者さんの部屋に行って、「本人かもしくは付き添いの家族か関係者」にアナムネをしっかり聞ければ十分です。
アナムネで情報収集しておきたい項目は以下の通りです。
入院までの経緯
現在の症状と訴え
身体的外傷や褥瘡があれば(実際に褥瘡好発部位をみて確認します)写真を撮る
自宅での生活状況と現在の状況(食事・排泄・入浴・歩行状態)
内服の持参薬とお薬手帳があるか
緊急連絡先とキーパーソンが誰か
介護保険を利用しているか
会話の中から認知面を把握する
医療処置が必要か(酸素・胃ろう・麻薬の管理など)
そして、以下の内容がこの時にアナムネをとった情報になります。
- 85歳男性
- 主訴・現病歴は昨夜22時ごろから発汗と発熱、悪寒が出現し翌日様子を見ていたが夕方になるにつれ体動困難となり救急車要請。
- かかりつけは当院
- 妻と二人暮らし
- ADLは自立
実際に僕がアナムネで聞いた内容になりますが、比べるとほとんど情報収集できていないのが分かりますね。
情報は取り損ねると夜勤の看護師に手間を増やしたりよろしくない影響がでてくるので、しっかりとらないといけません。
入院書類とサインも一緒にもらう
情報が取れたら、やっておきたい看護業務としてもう一つ「入院書類の発行とサインをもらう」っていう看護があります。
準夜勤時は看護師の数が少ないので、なるべく短時間でアナムネを取り必要書類を発行してサインをもらうことを重要視して動きます。
でないと繰り返しになりますが、深夜勤さんが準夜勤の業務をこなさなければいけないからですね。
また、患者さんの家族が付き添いで居る内に済ませておかないと、仕事を引き継がせることになるので申し訳ないと感じるわけです。
もらっておきたい入院書類とサインは下記に必要な項目をリストアップします。
- 入院診療計画書(医師が発行するため、発行されていればもらう)
- 看護計画書
- 入院される皆様へ
- 嚥下問診票
- オムツプランとフルセットプラン(病衣のレンタルと日用品のサービス)の申し込み
- 抗生剤のアレルギー問診表(抗生剤がある時のみ)
- お薬手帳と持参薬(内服薬チェック記入表)
これらはアナムネがしっかり取れた後に必要な看護業務なので優先順位的には、わりと早めに済ませて準夜勤の業務に戻れるようにしたいです。
ある程度は深夜勤さんが手伝ってくれるので、分担しながら入院手続きを行うのですが、もし一人でするなら優先順位を明確にしておかないと焦ってしまいます。
これだけはやっておきたい記録は?
アナムネさえしっかり情報が取れていればいいとする理由は、記録に残せるからです。
時間がないときや、忙しい時はかならずやり残しが出やすく中途半端になってしまうことがあります。
それを記録に残すことで他のスタッフと共有できるので「分かってて出来なかった」とか「知っていたけどする時間がなかった」などといった言い訳ができるので責任が問われる心配がなくなるからですね。
必要な記録は、アナムネで聴取した情報です。
とくに、やり残した仕事や途中で終わったことを含めた基本情報は残しておいた方がよさそうです。
全部は網羅する必要はないアナムネとその取るタイミングは?
アナムネで聞いておきたい情報を絞っておく
アナムネも時間をかけ過ぎるといくらあっても足りないので要点を絞る必要がありますね。
- 主訴(今どうあるか)
- 入院になった経緯
- ドクターから何と言われて入院になったか
- 入院前の生活形態(独居やサービスの利用)
- 家での日常生活状況(食事・排泄・入浴・外出)
- 食事の形態が合っているか(いつから食事提供かによる)
- 既往歴
- お薬手帳と持参薬の有無
- 最終排便・最終入浴日
- 入院時のADL(寝返り・飲み込み・下着の種類)
- 褥瘡の有無
- 主訴に伴うアセスメント
- 認知症の有無
- 入れ歯
- アレルギーの有無(口頭で聞く)
- 家族構成(キーパーソン連絡先2か所)
- 下着と病衣の貸し出しが要るか
- ナースコール指導
- 視力・聴力の既往
- 普段の移動手段(杖・シルバーカー・車いす・独歩など)
- 介護保険の利用の有無(介護の等級)
これらを患者さんの病態や状況に応じてアナムネしておくと記録を書く時、後で聞く必要がなくなりもれが無くなります。
ある程度情報をとったら通常業務に戻り、深夜勤さんのフォローをしながら空いた時間で記録や入院の手続きを進めていくことになります。
なんだかんだで聞くこと沢山あってくらくらする。
入院業務が落ち着いてからすることは?
どれも同時進行で行っていく看護業務になるんですが、あとでやることを想定してもいいのが以下のような項目ですね。
ひととおり終わってから漏れがないかの確認でチェックしていく感じですかね。
- 担当看護師の決定
- リストバンド
- 名前シール
- 着替え
- 点滴更新など時間振り
- 書類のチェック
- 記録
- 着替えのボックスの準備
- 環境整備
- ネームプレート発行
- 薬のセットと記入
- 指示内容の確認と指示受け
感覚としては落ち着いてからする入院業務は時間内に終わらせれば大丈夫です。
まとめ
入院業務でのアナムネや看護は時間に追われながらこなしていくので、大変ですね。
以下にまとめておきたいと思います。
1.アナムネで必要な情報さえ聞き取りできてしまえば、後は何とかなります。
2.入院書類とサインをもらう
3.やり残しと要点を記録に残せば大丈夫。
アナムネをしっかりとって不足分は記録でカバーすれば何とかなります。書類関係も取れなければ翌日で良いし、次回があります。
いかに優先順位を考えて行動するかにかかってくるでしょうし、患者さんの病態や家族の反応とか色んな状況に応用しながら入院手続きを進めなければいけません。
ルーチン看護の合間におこなう入院の仕事は、簡単にさせてはくれませんね。コールとか鳴りっぱなしだったりするとそれに手間をとられてなかなか仕事が進まないですからね。
忙しい時は「要領よくアナムネをとる」に尽きます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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