BPSDの症状はたくさんありますね。
覚えようと思うとかなり骨が折れます。
そもそも覚えようとしなくて良いと思います。
理由はカンタン!
BPSDの症状かがわかる診るべきポイントがあるからですね。
感情から起こっている症状かどうかでBPSDの症状かが分かります。
たとえば
「すぐ怒る」 「不安で何回も聞いてくる」 「無関心」 |
これらは全て感情を起点としたBPSDの症状です。
この記事ではBPSDの症状と見分け方と対応について、以下に深堀してみたいと思います。
- BPSDの症状と、BPSDじゃない症状の違いを解説
- BPSDの対応するときの看護の考え方を解説
オススメ書籍も紹介していますので良かったらみてみて下さい。
目次
BPSDの症状を見極めるには感情ありきかどうかで秒で分かる
結論からですけど、BPSDの症状かどうかは「感情」で分かります。
どういうことかというと
その人の行動とか動作に感情が伴っていればBPSDの症状です。
たとえば
「ソワソワして落ち着きがない」
「不安が解消されずに寝ない」 「興奮してて指示が入らない」 |
これらの症状は、感情から起こるストレス的要因が主体じゃないですかね。
つまりBPSDの症状は、感情ありきで行動や態度に現れるということになります。
BPSDって、症状の項目を挙げるとキリがないぐらい出てくるのは、感情が絡んでるからですね。
てことで、BPSDの症状を覚えようとするのは時間がもったいない。
感情があるならほぼ全部BPSDの症状と思ってOKです。
まあ、実際にはBPSDの症状かどうかってアセスメントする必要性はないんですけど
みんな感覚的にはわかっているんだけれども
ちゃんと理解していない人が多い気がするので、参考にしていたでけると良いかと思います。
ちなみに、認知症のBPSDの症状ってグラデーションの様な色分けでしか表せないです。
どういうことかというと、単発の症状っていうより複合的でいくつもの感情や行動が重なって現れます。
だから個別性が色濃く出てくるんです。
そこで、「症状をはっきり分類出来れば便利だよね〜」って考えた人たちがいて〜
2種類に分けられるようになりました。
認知機能症状と行動心理症状(BPSD)ですね。
次は、認知機能症状とBPSDの違いについて分かりやすく解説してみますね〜。
認知機能症状とBPSDのちがいは「機能」と「環境」の違いです。
まず、認知機能症状の定義
- 「記憶や言語、時間の感覚といった認知機能そのものの障害」
行動心理症状(BPSD)の定義
- 「知覚や思考内容の変化、気分や行動の異常という形で現れる障害のこと」
というふうに定義されています。
認知機能症状とは
「脳の器質的な障害」が原因でおこる症状なので、脳の萎縮や血流の減少にともなって症状を表します。
脳のどの場所が障害を受けたかによって症状がちがってきます。
聞いたことを覚えられないとか言葉がでてこないとか動作が出来ることとできない事がおこります。
このタイプの理解すべき特徴は
「感情を伴っていない」ということです。
たとえば、時間がわからなくなってても怒ったりしないし。
何かの動作が出来なくても、本人はいたって平静に取り組んでいます。
言い換えると失行に近いですね。
たとえば
「トイレ動作ができない、途中で他のことをする」
「ご飯を食べる行為を途中でできなくなる」 「習慣的な動作が順序立ててできない、遂行されない」 |
これらの動作については、感情が原因で引き起こしているものではないということ。
以上から言えることは、
脳の機能が障害を受けているので、動作の欠落が起こっている。
です。
感情は関与していないんですね。
そのくせ感情は認知症の症状の根幹なので
遭遇するほとんどの認知症症状は、感情を乗せたBPSDの類ということがわかると思います。
ついでに
先ほど書いた失行について、分かりやすく解説した記事があります。
失行と失認の違いは「行動が出来なくなる」か「理解が出来なくなる」か 参考にしてもらえるとうれしいです。 |
次に
行動心理症状(BPSD)は「環境」に影響を受けておこる症状が特徴です。
ストレスや置かれた環境の変化から、不安や異常行動とか言動が聞かれます。
つまり、感情が伴っている症状ってことがわかると思います。
たとえば
同じことを何度も聞いてきたり、攻撃的になったりですね。
整理しやすいように行動心理認知症(BPSD)にはどのような症状が当てはまるかを、示しておきます。
参考にしてみてください。
行動心理症状「BPSD」の症状
行動症状 攻撃性、徘徊、不穏、焦燥、社会通念上の不適当な行動と性的脱抑制、部屋の中を行ったり来たりする、喚声(わめき声)、泣き叫ぶ、ののしる、無気力、繰り返したずねる、つきまとい 心理行動 妄想、幻覚、抑うつ、不眠、不安、誤認 「一般病棟で役立つ!初めての認知症看護」から参考引用抜粋
BPSDの症状があるときの看護師の考え方は「否定しないことと安全の担保」
認知症の症状の対応は、感情に注目することです。
で、やることはいたってカンタンです。
「否定しないように安全を担保してあげる介入」ですね。
たとえば
「ベッドから落ちないように工夫する」
「目の届くところに誘導するか行く」 「センサーを使用する」 |
つまり、否定しないように適当に話を合わせつつ、環境の調整で安全を担保する。
看護の考え方としては、安全面を優先して考えればOKです!
認知症の人は否定するとかえって興奮させるきっかけになることがあるので
人によって上手く活用してみると良いと思います。
認知症の対応について他の記事もありますので参考にしても良いと思う人ははどうぞ |
で、ちなみにですけど
認知症には国際老年精神医学会という団体がありまして、そこでは行動心理症状を3つのグループに分けて対応について評価分類していたりします。
グループ①→厄介で対処が難しい
グループ②→やや処理に悩まされる
グループ③→比較的処理しやすい
症状から対応の難しさを分類したものですが、認知症の人は「近寄りがたい」とか「怖い」といった印象を持たれやすいです。
でも全然そんなことはないです。
認知症について知らないからそのような想像を引き起してしまうのでしょうね。
で何が言いたいかというと
グループにまで分類して評価しているけど
臨床では何の役にも立たないってことですね。
っていうと怒られそうなので、下記にBPSDの対応をステップごとに解説した物があります。
こういうのってみんなで共有できる点では、大いに活用できると思うので興味がある人は参考にしても良いと思います。
下の表は行動心理症状の対応についてのアプローチを載せておきます。
認知症の症状をみたらどのようにアプローチして対処していったらいいかをステップごとに示してありますので、興味のある人は参考までにどうぞ
留意点など 1)対象とするBPSDを明らかにする 問題を定義して明らかにする。一度に取り組む対象は一つにする。 2)対象とするBPSDについて情報を集める 頻度や時間、怒りやすい場所、その時に誰がいたかを1~2週間記録する。 3)対象とするBPSDが起こった前後の状況を明らかにする 引き金となった要因を特定する。相手にBPSD関与する複雑な要因についての理解を促し、介入の成功につなげる 4)現実的な目標を決めて計画を立てる 出来るだけ本人も交えて目標を立てる。問題となりそうなこととその解決法を想定しつつ、個々に合わせた具体的で小さな目標から焦らず徐々に進めていく。 5)継続的に評価し、計画も修正する BPSDの回数や時間の変化などから評価し、一貫性と柔軟性を持って対応し、時としてその計画を変更していく。 「一般病棟で役立つ!はじめての認知症看護」より引用抜粋一部変更あり
何はともあれ
認知症の症状を知ることができると、不安の考えやネガティブなイメージは少なくとも軽減すると思います。
まとめ
では、BPSDの症状についてまとめてみます。
- BPSDの症状かどうかは感情がポイントでわかる
- BPSDの看護の対応は、否定せず安全の担保を考える
参考書籍はこちら
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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