けいれん発作の対応は、安全の確保と観察です。【酸素低下に注意すればOK】

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epilepsy 急変時の看護

けいれん発作の対応の場面にあたったことがある看護師は、おおいと思います。

初めてけいれん発作にあたった時は、見た目が派手なので、どう対応していいのか分からず慌ててしまうのが普通の反応ですね。

僕も最初は、けいれん発作にあたった時のことはよく覚えていますが、内心ドキドキして「どうしよう!」ってなりました。

なので今回は、けいれん発作時の対応について書いていきます。

この記事を読んで分かることは以下の通りです

  • けいれん発作時の対応方法がわかる
  • けいれん発作した時の薬の種類がわかる
  • けいれん発作の種類

また、オススメ書籍も紹介していますので、良かったらみてみて下さい。

では、さっそくみてみましょう。

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けいれん発作が起きたときの対応は呼吸の補助からする

けいれん

けいれん発作は、なんの前触れもなく起こったりするので、新人の頃は目の当たりにすると頭の中が真っ白になってパニックになります。

僕も学生の頃に受け持った患者さんが、急にけいれん発作を起こしたのでパニックになったのを痛烈に覚えています。

どうしていいか分かりませんでした。

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とりあえずけいれん発作のときの対応のポイントは3つあります。

けいれん時に押さえておきたいポイントは3つ

  • 患者さんの傍を離れない
  • 安全確保
  • 緊急性の判断

それぞれ解説していきます。

患者さんの傍を離れず観察すること

そもそもけいれん発作の原因って、沢山あるのでまずは患者さんの傍を離れずに、以下のことを観察します。

1. 発作の持続時間

けいれん発作がどのくらい時間的に持続したか?

また、どんな感じのけいれん発作かが区別出来ればいいと思います。

詳しい解説はのちほどしていきますので、カンタンに言うと

特徴としては、ピクピク小さくけいれんしているか、大きくガクガクした感じのけいれんか。

けいれん発作は、脳の酸素消費量がふえて低酸素状態となるので、酸素不足による脳の損傷も意識するようにした方がいいです。

なので、10分以上のけいれんとか頻回のけいれん発作は、痙攣を止める治療をします。

薬についても後ほど一覧表を掲示します。

2. 意識レベル

けいれん発作は意識が低下します。

見た目の印象で観察していきますけど、痛み刺激を与えるとけいれんを助長させてしまう可能性があるので注意が必要です。

ポイントはけいれん発作が終わっても意識が改善するかしないかを観察して、意識が改善しなければ脳幹部病変の可能性があるので検査したりします。

3. 呼吸状態

けいれん発作は、呼吸ができなくなりますので酸素が下がります。

SPO₂を測ってみて酸素低下していれば、けいれん発作の可能性が高いですので、酸素投与したほうがいいです。

分かりやすい指標じゃないかな〜と思います。

たとえば、「けいれんなのかな?」って思った時に、酸素が下がっていたらけいれん発作の可能性が高いと判断してそのまま、酸素投与をする。

という行動がとりやすくなりますね。

けいれん中やけいれん終了直後は、呼吸が一時的に止まるのでチアノーゼがみられることがあります。

合わせて読んで欲しい酸素低下に関するオススメ記事はコチラ⬇️

4. 体位

二次的な外傷予防と、低酸素の予防に関する体位ですね。

気道確保と危険防止になるような体位がいいと思います。

けいれん中の体位で除脳硬直か除皮質硬直かが判断できます。

以下のことを参考にしてみて下さい。

  • 除脳硬直:上肢が回内伸展、下肢と体幹は伸展
  • 除皮質硬直:上肢は屈曲、下肢は伸展

けいれんを止める時に使う薬剤

薬剤名 薬効など
ジアゼパム(ホリゾン・セルシン) 抗けいれん薬
フェニトイン(アレビアチン) 抗てんかん薬
プロポフォール 効果がない時に全身麻酔として使用

そもそもけいれんのタイプによっては、緊急性がないものもおおく患者さんの安全を確保しながら観察することが大事になると思います。

体位について危険予防のために下記のことに注意して安全を確保した方がいいです。

  • 転倒
  • 転落
  • 誤嚥

けいれん発作を引き起こす原因を押さえる。

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けいれん発作の対応について大切な観察項目を述べましたので、ここからはけいれん発作の原因検索のためのポイントを書いていきます。

けいれんの原因には脳神経からくるか、それ以外かの2つに分けるのが分かりやすいです。

脳神経の障害は基本的に薬剤の使用(抗けいれん薬)になります。

  • 脳挫傷
  • 硬膜下血腫
  • クモ膜下血腫
  • 脳梗塞
  • 脳炎
  • 脳腫瘍
  • 手術後

脳神経以外は検査が必要

    • 観察と並行して、心電図・血糖値・電解質異常・低酸素・腎不全・薬物中毒・熱性けいれん

けいれん発作の病変部位と種類を判断するには?

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どんな感じのけいれん発作を起こしているかの特徴から、病変が脳のどこから発生しているかを推定できるので、けいれんのタイプを観察するのは大事です。

詳しくみていきましょう。

けいれん発作の部位が、全身性か局所性かをみる。

片側性のけいれん発作であれば、左右どちらかの大脳の運動領野の近く付近で起きたけいれんで、症候性けいれん

両側性のけいれん発作であれば、運動領野の遠位で起こり左右の大脳に同時に起こるけいれんで、突発性てんかん

けいれん発作の分類

どのような発作かを観察する。部分発作か全身発作か

両側の大脳半球の発作が原因で、特定の部位に発作の起源を見いだせない

  • ミオクローヌス発作:体の筋肉がピクピクと瞬間的に震える
  • 間代性発作:四肢がガクガクと大きく屈曲する
  • 強直性発作:つっぱり、頚背部は後ろに反る姿勢をとる
  • 強直間代性発作:つっぱってからガクガクする

実際にけいれん発作がどんな感じなのか経験してみないと、ピンとこないと思いますが、けいれん発作を見たときに人に伝えられればいいので、対応をしっかりすることが優先になりますね。

けいれん発作の開始部位と波及の順序

どこから始まって、どのように広がったかが見れたらベストだと思います。

僕はまだ見たことがありません。

頭部と眼球の偏位

基本的に、頭部と眼球の偏位した方向とは、逆の側頭葉が発作の起始部となります。

なので、目の動きを観察しつつ、向いている目の方向とは逆方向に病変があるのではないか?と推測してもいいと思います。

まとめ

けいれん発作の対応についてまとめると以下の通りです。

けいれん時に押さえておきたい対応のポイントは3つ

  • 患者さんの傍を離れない
  • 安全確保
  • 緊急性の判断

けいれん発作は、緊急性はあまりないものの見た目が派手で重症感があるように見えます。

大事なことは患者さんの安全の確保とどんなけいれんをしているのかのの観察でその後の治療や対応が変わってきますね。

慌てずに応援を呼んだあとは、その場を離れないようにけいれん発作の対応とアセスメントができたらいいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

少しでも参考にして頂けたらうれしいです。


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