アクトス薬は、糖尿病の治療でつかわれる薬で商品名です。
もともとチアゾリジン系に分類されています。
アクトスを飲みはじめたときに注意してみていく副作用、また作用機序はどのようなものがあるか、ポイントをわかりやすく解説していきます。
この記事をよんで理解できる内容は以下のとおりです。
- アクトス薬の副作用がわかる
- 服用中に見るべき観察ポイントがわかる
- アクトス薬の作用機序がわかる
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では、さっそく見てみましょう。
目次
アクトス薬の副作用で看護師がみるべきポイント
アクトス薬を飲みはじめたら、副作用がないか観察していきますね。
観察項目は以下のとおりです。
・浮腫
・体重の増加
・骨折
後ほど書きますが、アクトスは低血糖になりにくい作用があります。
つまり、低血糖の症状は気にしなくていいです。
なので、おもに3つに注意しながら見ていくといいかもですね。
それぞれ、くわしく解説していきます。
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浮腫(むくみ)
浮腫(むくみ)が発生する頻度は全体の8%ぐらいです。
男性4%、女性では約11%となっています。(添付文書参照)
ちなみに、インスリン注射を併用していると男性は約14%、女性では約29%でむくみます。
アクトスを飲みはじめて副作用がでやすいのは1~2カ月後がおおく、顔面や下肢におおくあらわれます。
・飲みはじめの1~2カ月間が、いちばん副作用のでやすい期間
どうして、むくみがあらわれてくるかというと、チアゾリジンの作用に、体液を貯留する作用があるから、ということが分かっているからです。
ということは、体液が貯留しないようにおしっことして排泄する必要があり、腎機能がわるい人はアクトスはすすめない方がいいということが言えますね。
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体重の増加
日本人では、5年間のアクトス薬の服用で、平均体重が約3kg増加したとの結果が報告されています。
アクオスを服用すると、長期的に見ても体重が増えるということが言えますね。
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骨折
女性では腰椎や大腿骨の骨密度が有意に低下したとの報告があります。
なので、つまずいて転んだり、尻もちや不意に手を付いたりすると、カンタンに骨折するかもしれないというリスクがあるんですね。
アクトス薬を服用していない人と比較すると、2倍の骨折リスクがあったとのことです。
これら3つのことをふまえて経過を見ていくといいと思います。
アクトス薬の飲み方で知っておきたいポイント
アクトス薬は、飲みはじめてから約2~3ヶ月以上たった後から、血糖値の改善がみられてきます。
なので、以下のことにいちばん注意する必要があります。
すぐに効果が出ないことで、自己判断で服用をやめる人がいることを注意する。
どれくらいの食事量をとれば飲んでいいのか
服用が可能という点に関しては、軽食程度であれば服用したほうがいいようです。
たとえば、食パン1コとかですね。
理由は、低血糖になりにくいという作用機序の特徴があるからです。
しかし、シックデイになったとき、食事が取れそうにないなということであれば、もしくは取れないと予想されるなら飲むのを止めておきます。
ムリして食べたりすると、吐いてしまったりして体への負担があるからですね。
できれば、水分をこまめに摂るようにして、脱水にならないようにすることを心がけるといいかもです。
アクトス薬(チアゾリジン)の作用機序
アクトス薬の作用は、ゆっくり血糖を安定させることです。
だから時間がかかります。
アクトス薬であるチアゾリジンは、大きくなった脂肪細胞にはたらきかけて、細胞が小さくなるようにうながし、変換させる作用があります。
なぜ、細胞を小さくするかという疑問がわきますね。
大きくなった脂肪細胞からは、インスリンの効きを邪魔するわるい成分がおおく分泌されます。
なので、脂肪細胞を小さくすることで、インスリンの質をよくする成分(アディポネクチン)が小さくなった細胞から、おおく分泌されるようになるんです。
上記の説明はちょっと難しいので、まとめると以下のとおりです。
アクトス薬のチアゾリジンは、インスリンの質を改善させる薬ってことになります。
代表的なチアゾリジン薬はアクトス以外にピオグリタゾンODがあります。
補足として書いておきます。
- チアゾリジン薬の特徴はゆっくり効いてくるってことでして、血糖値の改善には時間がかかります。
- どれぐらい時間がかかるかというと約1週間ぐらいです。
- 1週間服用する頃に血中濃度が安定してきて血糖値に反映されてきます。(効果は2~3か月後)
肥満の人が飲むと効果が得られやすいことが分かっています
結論から言うとアクトスの服用は、インスリン抵抗性(質がわるい)がありそうな肥満の人に向いていますね。
インスリンの質がわるい人は、それを補うためにインスリンの分泌量がおおい傾向があります。
なので、肥満の人に向いていることが言えます。
アクトス薬を飲んだ方がいいかの目安は、以下のとおりです。
・BMI24kg/m²以上
・空腹時の血中インスリン値が5μU/㎖以上
また、女性や高インスリン血症のある人において、血糖改善の効果がたかいとの報告があります。
では、逆にアクトス薬を飲まない方がいい人は以下の場合があります。
・心不全の既往がある人
なぜかというと、まえにも言いましたがチアゾリジン系には、体液を貯留させる作用があるため、副作用として心臓に負担がかかるからです。
その他として
- 肝臓や腎臓のはたらきがわるい人(薬の排泄に肝臓と腎臓がかかわり負担がかかる)
- アクトスには、膀胱がんの発生リスクがあるので膀胱がん治療中のひと
まとめ
- アクトス薬の副作用としてみる観察項目は浮腫・体重の増加・骨折がある。
- 自己判断で服用をやめる人がいることに注意する。
- アクトス薬は、インスリンの質を改善させる薬。
- 肥満の人に向いていて目安は、以下のとおりです。・BMI24kg/m²以上・空腹時の血中インスリン値が5μU/㎖以上
- 低血糖をおこすリスクは少ないので、インスリンの注射の併用やほかの飲み合わせに注意する。
アクトス薬は、効果があらわれるのに時間がかかることを説明することと、月単位で経過をみていく必要があります。
最後までよんでいただきましてありがとうございました。
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