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投稿日:03/06/2019 更新日:2020-09-12
グルファストは食直前5分前に飲む糖尿病薬です。
食前ならいつでもいいかというと、そうでもないですね。
食事の20〜30分前に飲むと副作用として低血糖になる可能性があることがわかってます。
グルファストはグリニド系糖尿病薬で、飲むのを忘れていた場合、気づいた時点で飲んではいけません。
病棟では、薬の管理を看護師サイドで行っていることが多いですけど、意外と食直前の場合に飲ませ忘れそうになることがあります。
グリニド系の糖尿病薬についてもうちょっと知っていれば、もっと意識して内服管理に注意が向くと思います。
なので、分かりやすく解説してみますね。
この記事では以下のようなことを分かりやすく解説していきます。
- グルファストの作用機序を解説
- グルファストの飲み方と食後の考え方
- グリニド薬であるグルファストの副作用
合わせてオススメ書籍も紹介してますので、良かったらみてみて下さい!
では、いってみますね。
目次
グルファストは超速効性インスリン分泌促進薬だけど穏やかに効く
グルファストは、糖尿病薬の中でも超速効性型です。
めっちゃ効きが早く、すぐに膵臓を刺激してインスリン分泌を促してくれるのが特徴ですね。
でも、めちゃクソ吸収が早いわりに、やさしく膵臓を刺激してくれるので血糖を下げるのに変動が少なく、やんわりと下げてくれるんですね。
こういったタイプの糖尿病薬を「グリニド系」と言います。
どういった人に使うかというと、食後の血糖値がめっちゃ高くなる「食後高血糖」と言われるタイプの人によく使われます。
食後の急激な血糖上昇は血管に負担をかけるから「長期的にはあまりそのままにしておかない方がいいよね〜」っていう考え方があるんですね。
なので、血管のことを考えるとリスクのある人には適応になるですね。
食後高血糖について書いた記事がありますので、合わせてみていただくと理解が深まると思います。⏬
さて、参考までにグリニド系の薬を紹介しておくと以下のような商品があります。
- テナグリニド(スターシス、ファスティック)
- ミチグリニドカルシウム水和物(グルファスト)
- レパグリニド(シュアポスト)
などがあるようですね。
ここで、ちょっと注意することとして
超速効型インスリン促進薬のグルファスト(グリニド薬)は、スルホニル尿素薬と同じインスリン分泌を膵臓を刺激して促進する薬なんですが、
作用時間が違います。
スルホニルは長時間作用(6〜12時間)に対して、グルファストなどのグリニド系は短時間作用(2〜3時間)です。
スルホニルとの作用時間について解説した記事はこちらをぞうぞ⏬
つまり、スルホニル尿素薬よりも吸収が早く短時間で消失するのがグリニド系の特徴です。
でも、さっきも言いましたけどインスリン分泌作用はおだやかです。
膵臓のβ細胞に短時間作用してインスリン分泌を促します。
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グルファストの食後と飲み方の考え方。【飲み忘れはOKとする】
では次に、グルファストの飲み方と、万が一飲み忘れたときの考え方について説明してみますね。
グリニド系は食前薬なので、キホン飲み忘れるのはインシデントになります。
ただ、たかが1回飲み忘れてしまっても問題はないというか、そこまで心配はしなくていいというのが僕の考えです。
というのも、インスリンが枯渇しているわけではないというのが理由として挙げられます。
それよりも、「飲み忘れた!」からと言って食後に飲ませたことで低血糖を起こす可能性があり、低血糖のリスクの方が危険だからですね。
なので、忘れても気にせずそのまま飲ませないことが大切です。
もちろん経過は観察していくことにはなるけどですね。
「グルファストは低血糖に注意するべし」
です。
グルファストの飲み方と食後についてまとめると以下になるかな〜と
- 食前薬なので5分前に飲ませる
- 食後は飲ませない
- 食事中も飲ませない
基本的には1日3回毎食直前です。
薬のピークは30~60分で、効果は3~4時間持続します。
食事の30分以上前の服用は食事前に低血糖症状を起こしてしまう可能性があるので服用させる時間は注意が必要になります。
飲み忘れた場合は、食後の服用で効果発現が遅くなることや低血糖遷延の危険性があります。
飲み忘れたときは、服用しないで次回分から改めて飲んでもらうことになります。
また、いつもの半分量しか食事が摂れない時は服用しません。
飲む時間は薬によってまちまちでグルファストは5分前以内、スターシス、ファスティック、シュアポストは10分前以内という緊張感のあるの見方がされてるんですね。
ただ、これってまわりくどい言い方なので、余計に気を焦らせません?
なので、グリニド系は食事の直前に飲んでもらうという認識でOKです。
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グルファストの副作用は低血糖、もう1つシックデイに注意
ルファストの副作用について最後に解説しておきますね。
副作用は低血糖です。
なので、以下のような低血糖症状をみたら対応することになると思います。
低血糖の主な症状と血糖値の値
初期症状(60mg/dl以下)
- 強い空腹感
- 冷や汗
- 動悸
- 不安感
- 悪寒
- 手指の震え
中期症状(50mg/dl以下)
- 脱力感・疲労感
- 眠気
- めまい
- ものがぼやけて見える
後期症状(30mg/dl以下)
- 昏睡
- けいれん
症状がないまま急に意識消失をおこす「無自覚性低血糖」というものもありますので注意が必要です。
一般的には、血糖値が60-70mg/dl以下になると低血糖症状が出現すると言われています。
では、グリニド薬服用中のシックデイ時の対応は?
そもそもシックデイとは?
糖尿病を治療中の患者さんが発熱や下痢、嘔吐してしまったりといった症状をきたして、食欲不振で食事が摂れない場合をシックデイと言います。
血糖コントロールがうまくいっていてもすごく高血糖になったり、ケトアシドーシスになったりすることがあるんで、そんな時は対応が必要になります。
シックデイが起こっていたら、以下のことを参考にしてみて下さい。
- 基本的なことですが医師に報告して指示をもらう。
- 食事が摂れなくても自己判断でインスリンを自己中止してはいけない。発熱や下痢、嘔吐などの消化器症状が強い時は診察してもらう。
- 脱水を予防するために十分な水分をとる。
- 食欲がなくても、口当たりがよくて消化の良い食べ物(おかゆ、ジュース、アイスクリームなど)や、出来るだけ糖質や水分を優先的に摂り絶食しないようにする。
- 自己血糖測定により、血糖値の動きを3~4時間に1回ずつ測定し、血糖値200㎎/dlを超えてさらに上昇傾向が見られたら、その都度超速効型または速効型のインスリンを2~4単位追加するかもしれないことを考えておく。
グルファスト(グリニド薬)に関して言うと、シックデイで下痢や発熱などで体調が悪い時は、服用を中止して診察を受けてもらった方が無難です。
まとめ
グルファスト(グリニド薬)はインスリン分泌促進薬ですが、スルホニル尿素薬とは若干作用時間が違いますね。
では、最後にあらためてグルファストの食後についてと副作用のことをまとめてみますね。
- グルファストは超速攻型だけど膵臓にやさしく作用して穏やかに血糖を下げてくれる
- 副作用は低血糖なので、食直前に飲んでもらう
- 飲み忘れても気にせず食事中や食後には飲ませない
- スルホニルと比較すると作用時間が短く(3〜4時間)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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