認知症の記憶障害について看護の考え方が分かる。【種類から看護に活かす対応方法】

投稿日:2019-06-05 更新日:2020-05-01

認知症の記憶障害について種類を分類してから看護に生かせる考え方を分かりやすく解説してみます。

結論から言うと、認知症の対応のためにわざわざ種類を分類して覚える。

なんてことをする必要はありませんね。

この記事では、以下のことについて書いています。

  • 記憶障害の種類(短期記憶と長期記憶)を分かりやすく解説
  • 記憶障害の特徴的な症状はあるけど覚えるより慣れていくもの
  • 認知症に関する看護の考え方

では、認知症の記憶障害について難しく考える必要がないことがわかると思いますので、最後まで読んでみてくださいね。

認知症の記憶障害について種類を覚えるより個別に慣れろという考え方

記憶障害の種類と分類を覚えると、認知症の対応はできるのか?

答えは、

「対応できませ〜ん。」

細かく言うと、「対応しようとしなくていい」です。

認知症にまともに対応しても有益な効果はうすいですね。

これは、僕の経験から感じる個人的な見解なので、全てに通用するものではないかもですが、

頑張れば報われると言うような精神論は認知症には通じません。

つまり、「割り切って対応していきましょう!」って考えになります。

そのことについて解説してみますね。

認知症は認知機能障害と行動心理症状(BPSD)の2種類の症状に分類されます。

認知機能障害は、ある程度脳の損傷や血流の状態で症状があらわれたり消失したりと、なかなか改善に結びつけることが難しいのです。

特徴的な症状をうったえたりしますので、ぜひ覚えておきたいところにはなります。

でも実際は

「覚えるより認知症に慣れろ」

です。

認知症は個別性が強いので、種類を覚え込んでもシャープに切り分けるのはムズイし危険です。

看護する側が見合わない労力に疲弊してしまうリスクが高い!

一生懸命対応していけば必ずよくなってくれるとか、看護の価値観でしている人がいますけど

感情論で乗り切れる問題ではないってことを認識しましょう。

あくまでも対個別対応で慣れましょう。

自分が潰されないように対応する方法が最も合理的で、看護にも最適な方法なんですね。

記憶障害の認知症は大きく分けて短期記憶と長期記憶の2つの種類がある

さて、こっからは記憶障害について少し医学的な解説をしてみますね。

認知症にも記憶の障害は起こります。

たとえば短期記憶だと

さっき言ったことを「すぐ忘れてしまう」とか、起こった出来事を「忘れてしまい何回も聞いてくる」とかですね。

短期記憶は、さらに「一次記憶」「作業記憶」

長期記憶には「陳述的記憶」「非陳述的記憶」に分けられます。

ここまでなら何とか覚えられそうですが、さらにまた細かく分けられたりするんで訳が分からんことになってしまうわけです。

ここでは分かりやすくした表が「認知症ねっと」のサイトにありますので、それをご参照して頂くと良いと思います。

また、記憶について詳しく書かれてあって参考になります。

参考資料引用元:「認知症ねっと」より

記憶障害に関する種類と解説はこちら

1)短期記憶

  • 一次記憶・・・繰り返しがなければ15秒ぐらいで忘れてしまう記憶。例えば、電話を掛けるまでの間だけ電話番号を覚えておく。
  • 作業記憶・・・会話や読み書きといった、複雑な認知作業に必要な情報を覚えておくこと。例えば、100から7をどんどん引いていって計算するときに必要な数を覚えておく。

2)長期記憶

  • 陳述的記憶・・・内容を言葉で表すことができる記憶
  1. エピソード記憶:個人の特定の経験や出来事についての記憶。例えば、子供の頃の思い出。
  2. 意味記憶:「知識」に関する記憶。例えば、単語の意味や概念、その視覚的なイメージ、文法、計算式、有名人の顔、教科書的な事実、これまで学習してきたことなど。
  • 非陳述的記憶・・・内容を言葉であらわすことができない「体が覚えている」こと。例えば、自転車の乗りかたや、料理のしかたなど。

記憶障害をもっていることで問題になるのは、多少の記憶障害があっても会話が成立してしまうというところにあります。

相手が忘れてしまっていても、知らなかったとか別の言い回しで答えたりすることで、それとなくつじつまが合うような答え方ができてしまうという点です。

認知症の人にもよく起こるケースです。

普通の会話の中で、いつも起こり得るケースで使われるからですね。

例えば、「最近のニュースについて何か覚えているか?」と問いたときに、記憶障害で忘れていたとしても本人が「興味がないから覚えていない」とか「知らない」という言い方をしても相手には普通に意味は通じるわけです。

 

わざわざ「記憶が無くなってるから何も覚えてない」とは教えてくれないんですね。

つまり、脳の機能的には記憶障害はなんとでもカバーできる能力を持っているということです。

また、受け手側も会話の内容が多少おかしくても理解しようとする解釈の方法をたくさん持っているから、記憶障害を疑わないかぎり記憶障害とは認識しにくいといえます。

認知症の記憶障害の中でもわかりやすい特徴的な症状はある。でも忘れる!

脳機能障害

認知症の中でもわりと認知機能障害で特徴的な症状がいくつかありますので、紹介します。

でも言っておきます。

忘れるのでサラッと流しといていいと思います。

はい、では前頭側頭葉変性症は意味記憶が障害されやすいです。

会話はスムーズにできるものの言葉の意味が分からないために、ちぐはぐな感じになります。

ある程度高齢になってくると言葉が出てこないことはよくありますよね。

それの重症なケースなんですけど、判断は難しいです。

レビー小体型認知症は、記憶障害はでにくいけど意識レベルの変動や注意力の低下が見られてくることで記憶障害が起こってくる。

記憶障害の現れ方について下記にまとめてあるのを載せておきますので、秒で読んでみて下さい。

アルツハイマー型認知症 初期からエピソード記憶が障害される。
レビー小体型認知症 初期には記憶障害は目立たないが、意識レベルの変動などのために記憶障害が起こることもある。
前頭側頭葉変性症 意味性認知症 意味記憶だけが障害される。
前頭側頭型認知症 記憶障害は目立たないが、集中力低下などの症状が記憶障害のように見える事もある。
進行性非流暢性失語症 記憶障害は目立たないが、失語症の症状が記憶障害のように見える。

一般病棟で役立つ「はじめての認知症看護」より引用抜粋

分類するとわかった気になりますけど、絶対忘れますね。

さっきも言いましたが、認知症の人は個別性がめちゃくそ強いです。

いろんな認知症のタイプやケースがあるって話ですね。

しかも、グラデーションで変化しまくるので一定の症状を掴むのは危険な考え方です。

よく考えてみると記憶障害なのかを判断するためには、その人と長く関わっていかないと対応は易くない印象です。

しかも感情や行動が変動するのでむずかしい。

認知機能に関する症状って、記憶障害をはじめとするいろんな症状が出ます。

たとえばこんな感じ

「物忘れ」「思い違いや思い込み」

「無関心」「物取られ」「被害妄想」

まずは観察してみて、慣れてくるとペースをコントロールできるようになるというような感覚ですね。

そもそも認知症は個別性が高いので教科書通りには分けられません。

っていうのが僕の率直な見解ですね。

看護の考え方のひとつとして捉えてもらえるといいかもですね。

まとめ

では、最後に認知症の記憶障害についての考え方をまとめておきますね。

  1. 看護のコツとして認知症の対応は種類を覚えるより慣れろ
  2. 感情的に寄り添っても報われないから個別的に対応する方法をとる
  3. 記憶障害がある認知症は症状が一定でないことを理解して対応を考える

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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