認知機能症状の記憶障害を分かりやすく解説。認知症の対応のためにはしっかり覚える必要はありません。

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知識記憶障害の種類と分類を覚えると認知症の対応はできるのか

認知症は認知機能障害と行動心理症状(BPSD)の2種類の症状に分類すると言いました。では、ここからはもっと細かく症状をみていきたいと思います。

認知機能障害はある程度脳の損傷や血流の状態で症状があらわれたり消失したりと、なかなか改善に結びつけることが難しいのですが、特徴的な症状をうったえたりしますので、ぜひ覚えておきたいところにはなります。

一つ目は記憶障害です。

つまり、さっき言ったことを「すぐ忘れてしまう」とか、起こった出来事を「忘れてしまい何回も聞いてくる」とかですね。

記憶障害には大きく分けて短期記憶と長期記憶に分けられる

短期記憶は、さらに「一次記憶」「作業記憶」長期記憶には「陳述的記憶」「非陳述的記憶」に分けられます。

ここまでなら何とか覚えられそうですが、さらにまた細かく分けられたりするんで訳が分からんことになってしまうわけです。

ここでは分かりやすくした表が「認知症ねっと」のサイトにありますので、それをご参照して頂くと良いと思います。また、記憶について詳しく書かれてあって参考になりますよ。

引用:「認知症ねっと」より

記憶に関する分類の種類と解説はこちら

1)短期記憶

  • 一次記憶・・・繰り返しがなければ15秒ぐらいで忘れてしまう記憶。例えば、電話を掛けるまでの間だけ電話番号を覚えておく。
  • 作業記憶・・・会話や読み書きといった、複雑な認知作業に必要な情報を覚えておくこと。例えば、100から7をどんどん引いていって計算するときに必要な数を覚えておく。

2)短期記憶

  • 陳述的記憶・・・内容を言葉で表すことができる記憶
  1. エピソード記憶:個人の特定の経験や出来事についての記憶。例えば、子供の頃の思い出。
  2. 意味記憶:「知識」に関する記憶。例えば、単語の意味や概念、その視覚的なイメージ、文法、計算式、有名人の顔、教科書的な事実、これまで学習してきたことなど。
  • 非陳述的記憶・・・内容を言葉であらわすことができない「体が覚えている」こと。例えば、自転車の乗りかたや、料理のしかたなど。

記憶障害をもっていることで問題になるのは、多少の記憶障害があっても会話が成立してしまうというところにあります。

相手が忘れてしまっていても、知らなかったとか別の言い回しで答えたりすることで、それとなくつじつまが合うような答え方ができてしまうという点です。普通の会話の中でいつも起こり得るケースで使われるからですね。

例えば、「最近のニュースについて何か覚えているか?」と問いたときに、記憶障害で忘れていたとしても本人が「興味がないから覚えていない」とか「知らない」という言い方をしても相手には普通に意味は通じるわけです。

わざわざ「記憶が無くなってるから何も覚えてない」とは教えてくれないんですね。

つまり、脳の機能的には記憶障害はなんとでもカバーできる能力を持っているということです。

また、受け手側も会話の内容が多少おかしくても理解しようとする解釈の方法をたくさん持っているから、記憶障害を疑わないかぎり記憶障害とは認識しにくいといえます。

記憶障害の中でもわかりやすい特徴的な症状はある。

認知症の中でもわりと認知機能障害で特徴的な症状がいくつかありますので、紹介します。

前頭側頭葉変性症は意味記憶が障害されやすいので、会話はスムーズにできるものの言葉の意味が分からないために、ちぐはぐな感じになります。

レビー小体型認知症は、記憶障害はでにくいけど意識レベルの変動や注意力の低下が見られてくることで記憶障害が起こってくる。

記憶障害の現れ方について下記にまとめてあるのを載せておきますので一読してみて下さい。

アルツハイマー型認知症 初期からエピソード記憶が障害される。
レビー小体型認知症 初期には記憶障害は目立たないが、意識レベルの変動などのために記憶障害が起こることもある。
前頭側頭葉変性症 意味性認知症 意味記憶だけが障害される。
前頭側頭型認知症 記憶障害は目立たないが、集中力低下などの症状が記憶障害のように見える事もある。
進行性非流暢性失語症 記憶障害は目立たないが、失語症の症状が記憶障害のように見える。

一般病棟で役立つ「はじめての認知症看護」より引用抜粋

いかがでしたでしょうか、認知機能症状の記憶障害について解説していきましたがここではなんとなく理解できたとしても、記憶障害なのかを判断するための材料にするのにはその人と長く関わっていかないと気付けないし変動するのでむずかしいです。

要は、認知機能症状の中に記憶障害というものがあって様々な記憶に関する症状を表出してしまいます。まずはじっくり観察してなにか対応の糸口を見つける手掛かりにしてもらいたいと思いますね。

以上、「認知機能症状の記憶障害を分かりやすく解説。認知症の対応のためにはしっかり覚える必要はありません。」でした。

認知症患者との対応を会話形式で分かりやすく解説してありますので、興味のある方はクリックしてみて下さい。

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