血糖値が高いとどうなる?【結論・血管に悪い影響をおよぼします】

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糖尿病療養指導士受験必修再現過去問題集【基礎編】
投稿日:2019-10-05 更新日:2020-09-02

血糖値が高かったり低かったりを、ほっておくとどうなるのか?

疑問に思うことがありませんか?

糖尿病の方は自分のことという事もあって血糖値についてよく勉強していてリテラシーの高い方はいます。

その一方で看護師は、血糖値についての基礎知識はありますけど、なんとなくでしか理解していないようにも感じます。

そこには臨床の場での経験でしか学ぶことが少なくて、専門性が高いのが原因として考えられます。

ぼくも病棟にくる前までは、アバウトな知識しかもっていなかったですね。

単純に低血糖になったらこういう症状が出るとか、基準値はこうだとかは知っていますが、血糖にかんするメカニズム的な、ちょっと掘り下げたことは理解が少ないような気がします。

なので、だれもが読んで理解できるように血糖値のことについて、わかりやすく解説していけたらと思います。

興味のある方は参考にして頂けるとうれしいです。

この記事を読んで理解できる内容は以下のとおりです。

  1. 血糖値が高いとどうなるか
  2. 血糖値とは?ブドウ糖の量のことを言っている
  3. 血糖値が低いとどうなるのか

合わせてオススメ書籍も紹介してますので良かったらみてみて下さい!

では、さっそく見てみましょう。

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血糖値が高いとどうなるのか?

血糖値

血糖値が高い状態がつづくとどうなるか?

こたえは、血管系が傷ついてきます。

「なんだ当たり前のことじゃないか!」

そう思いますよね。

血糖値が高いと長期的に血管がすこしずつ傷ついていくことが分かっています。

しかも、ほそい血管から徐々にわるい影響をおよぼしていきます。

理屈としても直感的に分かりますね。

では、なぜ血糖値が高いといけないのか?

これは急性合併症と慢性合併症というかたちで表現されています。

以下にくわしく解説していきます。

急性合併症とは?

血糖値が急激に高くなって糖尿病ケトアシドーシス高血糖高浸透圧症候群になるリスクがあります。

これらの病気の特徴は、以下のことがあります。

・意識障害

・臓器障害

これらをひきおこすので、すみやかに血糖値を改善する必要があるんですね。

慢性合併症とは?

血糖値が高い状態がながい間つづくとどうなるかは、こっちも血管が障害されます。

血管ならどこでも障害される可能性があるため全身におこります。

ただ、ゆっくり血管が障害されていくので、自覚症状に気付きにくく気付いたら以下のような病気になってしまうリスクがあります。

・糖尿病腎症

・糖尿病網膜症

・糖尿病神経障害

これらは、3大合併症と言われています。

この3大合併症についての覚え方があります。

し・め・じ」です。

 

 

 

下記におぼえ方の解説した関連記事はこちら⬇️

ちなみに、血糖値が高いとどうなるか?についてさらに大きい血管で起こるか、細い血管で起こるかによってこまかく分類されています。

ほそい血管の合併症(細小血管症)であれば先程言いました3大合併症がおこります。

また、大きい血管であれば

・狭心症

・心筋梗塞

・脳梗塞

・閉塞性動脈硬化症

などの大きい血管が障害をうけておこってきます。

つまり、血糖値が高い状態がつづくと、血管を障害するってことは短期的にも長期的にもあります。

血糖値が高い期間がながければながいほど細い血管から大きい血管に、わるい影響をおこしてしまうわけですね。

覚えておきましょう!

血糖値は体内でのブドウ糖の量で決まります【解説します】

糖尿病を理解しようとするとき、本や参考書には、よく血糖について書かれていますね。

わりと医学書や教科書なんかでもこむずかしく書かれてあるので、理解に苦しむことってよくあります。

なので、なるべくカンタンにわかりやすく解説していきます。

では、さっそく見てみましょう。

ブドウ糖とは?【働きも解説】

そもそも血糖って何でしょうか?

血糖とは、血液内にある「ブドウ糖」のことです。

血糖値は、測定キッドを使うとすぐにわかります。

だいたい普通のひとであれば、一日のなかで食事に関係なく70~140㎎/dlぐらいに保たれています。

つまり、一定のタイミングで測定したときの血液内の、ブドウ糖の濃度を表しています。

血糖値は血液中にある「ブドウ糖の量」のことになります。

ブドウ糖はなんの役割があるかというと

細胞すべてのエネルギー源です。

血液によって身体のすみずみに運ばれています。

とくに脳にとってブドウ糖は、唯一のエネルギー源で大量にブドウ糖を消費しています。

つまりブドウ糖は、身体や脳をうごかすエネルギーであり、「細胞のエネルギーってことです。

ブドウ糖は食事から供給しますが、炭水化物(糖質)をとることで消化酵素で分解されブドウ糖になります。

ブドウ糖は小腸から吸収されます。

そして、肝臓を経緯して体循環にはいり、全身に供給されるんですね。

血糖値が高い、もしくは上がるってことは、血液中のブドウ糖が多いということです。

「ブドウ糖が血液中に多いですよ」って判断はおしっこから推測できます。

血糖値は160~180㎎/dl以上になるとブドウ糖がおしっこから排出されすからですね。

つまり、尿検査で糖がでたら血液中のブドウ糖が処理しきれていないということが言えます。

その理由として以下の機能が働いていないか、もしくは弱いといえます。

通常の血糖値は70~140㎎/dlに保たれていて、血糖値が一定になるように人の体は血糖をさげるインスリンの分泌と、血糖をあげるインスリン拮抗ホルモン(グルカゴン、コルチゾール、成長ホルモン、カテコラミン)が機能してその役割をしています。

つまり、ふつうは食事をすると血糖値は上がるけど、体は血糖値を一定に保つ機能が備わっています。

しかし、「糖尿病になると血糖値を一定にたもつ機能がよわくなる」ってことですね。

血糖値は低ければ低いとどうなるのか?

血糖値が高いと血管の病気をひき起こすことは分かりました。

では、低ければいいのか?という疑問が出てきますね。

結論はというと、そうではないですね。

血糖値の評価でよく用いられるHbA1cという評価基準があります。

そのHbA1cが6.0%未満だった場合に、糖尿病の合併症は減少しなかったのですが、かえって死亡率が高くなったとの研究結果が報告されています。

原因は低血糖が生じたため、死亡率をあげたのではないかと考えられています。

たしかに、きびしく血糖コントロールをおこなえば、細小血管症の発症がおさえられることが示されています。

でも、将来にわたって死亡するリスクが高くなったことも示されているんですね。

つまり、血糖値が高くなるとどうなるか?

ということに神経質になるあまり、血糖値が低くなりすぎる危険をはらんでいる、ということかもです。

なので、日本糖尿病学会では合併症予防のための治療目標値をHbA1c7.0%未満としています。

血糖値の目標についての参考にして欲しい関連記事は下記からどうぞ⬇️

 

 

ではふだんの血糖値はどれぐらいにコントロールすればいいのか?

という疑問が出てきますね。

50㎎/dl未満だと色んな臓器障害を引き起こすとされているので、50㎎/dl未満はあぶないです。

ぼくの経験上では、血糖値60台までならなんとか症状もなく過ごしている患者さんはおおい印象はあります。

しかし、もともと糖尿病で血糖コントロールをしている患者さんであれば、血糖値60台は低すぎるので医師に指示をあおぐほうが賢明ですね。

60㎎/dl以上あっても、なにかしら症状がある場合は言うまでもないですね。

いずれにしろ、低血糖は避ける方がいいです。

食後高血糖になる人は心血管の発症や死亡率が高くなることが分かっており、血糖値の変動が大きいと血管の障害が引き起されるようです。

食後高血糖は急激な血糖値の上昇のことをいいます。

くわしく知りたいかたは下記の関連記事がオススメです⬇️

まとめ

血糖値が高いとどうなるかについてまとめると下記のとおりです。

1.血管系が傷ついてきます

2.血糖とは、血液内にある「ブドウ糖」のことで、食事に関係なく70~140㎎/dlぐらいに保たれています。

3.日本糖尿病学会では、治療目標値をHbA1c7.0%未満としている。

合併症の予防には「HbA1c7.0%未満を目標」とし、普段の血糖値はは高血糖や低血糖の「乱高下しないような血糖コントロール」がベストではないかということですね。

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

少しでも参考になったと思ってもらえるとうれしいです。



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