GFOを注入する時の看護はGFOの特徴を知っておけば安心【投与時間の目安は30〜60分】

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栄養中 消化器系の看護


投稿日2019-02-08 更新日:2021-01-19

GFOとは、腸管機能を改善させるためのお試し期間で投与します。

おもにPEG増設後の栄養再開に向けて、腸管にやさしくて負担のかからない治療としてGFOが投与されます。

GFOについてその特徴を解説して看護につなげていってもらえれば良いと思います。

まず初めにPEGについてもちょっと説明しておきますね。

PEG造設すると栄養を腹部に作ったPEG部から入れるわけなんですが、いきなり栄養バックを注入すると下痢や発熱が生じたり、栄養の吸収がうまくいかなかったりするにでお試し期間を設けるんですね。

それがGFO療法です。

PEG造設の患者さんは、口から食事が取れなくなった時に、次の段階の栄養補給方法としてPEGが選択されます。

PEGは最終手段的な考えだから

しばらくは、点滴で栄養の補助供給をして様子を見ていくんだけれども、長期的な継続はできないんですね。

今後、このままだと口で食べていくのは難しいだろうなと医師が判断していくことになる。

でもPEGを作ると以下のようなリスクがあるわけで、PEGをするかの判断は難しい。

一方で、そのまま点滴したままでずっと病院に居れないんですね。(保険が適応できない)

PEGを作らないと施設に預けることもできないし、受け入れ先が見つからないままの状態が予想できるので病院側も困るわけです。

で、話を戻しますね。

例えば、PEGを作るとどんなリスクがあるかと言うと

  • 誤嚥のリスクが上がる
  • 免疫が低下して抵抗力が弱くなる
  • 点滴をするから痛みを伴う(定期的に刺し変えしないといけない)
  • 食べる楽しみがなくな

生理的にも口から食べる行為がいちばん身体的に自然なことですし、いろんな面で良いんです。

一時的に点滴で繋いでおいて、その間に経口摂取ができてくればPEGも作る必要はないんですけど、患者さんの状態とか今後の転院先なんかを考慮すると、いつかはPEG増設が薦められます。

じゃあ、PEGを作ったらOK!かと言うと違うし、使っていなかった腸管をこちらの都合でまた使わせてもらうのだから、前段階としてお試し期間を儲けましょうって言うのがGFOの役割ですね。

ちなみに、オススメ書籍も紹介してるので、良かったらみてみて下さい。

ではさっそく見ていきましょう。

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GFO投与とは?看護と特徴を解説します

PEG

基本的な考えとして絶食状態が続くと、胃や腸の機能は低下します。

なので胃腸がびっくりしないように投与する第一選択としてGFO療法を行います。

看護をするならGFOに含まれる栄養素を押さえておきましょう。

この前後輩看護師の子に「GFOって糖分入っているんですか?」って質問されて答えきれずに困りました。

今後そういうことがないようにしっかり覚えておきたいと思います。

グルタミン・・・アミノ酸の一種で、生体内では最も多いアミノ酸。

ファイバー・・・水溶性食物繊維は腸内細菌により、短鎖脂肪酸に分解されて利用される。

オリゴ糖・・・善玉菌とされているビフィズス菌の食糧となる。

後輩看護師に質問された糖質が入っているかの問いに関しては、オリゴ糖は入っていますがオリゴ糖は糖質と消化吸収が異なるので、血糖値を上げる成分ではないというのが答えですね。

GFOの特徴とは「腸にやさしく免疫力を上げる働きがある」

経口栄養補助剤(GFO)は、少量の投与で腸管の繊毛上皮の増殖を維持・促進し、腸管免疫能を賦活化するなど、本来腸管が有する機能を最大限に活かすために開発された経口・腸管栄養剤です。

GFOは、消化管術後患者においても早期から吻合部に負担をかけずに経口・経腸投与が可能であり、手術侵襲、絶食(多くは中心静脈栄養を併用TPNtotal parenteral nutrition)によって生じる腸粘膜の萎縮を抑制し、腸管機能を良好に維持することが可能である。また、腸管の蠕動運動を賦活化するとともに、腸管由来の免疫能を促進することにより、腸管由来の感染症をはじめ種々の術後合併症の発生を抑制する働きもあるとされている。

つまり、使ってなかった腸管なんかの機能の修復・回復と、免疫の向上です。

今から食事をするための前段階として慣らしておきましょう!

っていう認識でいいですね。

腸の試運転みたいな感じ

その結果免疫が上がったりして感染症にも強くなるということですね。

実際GFOは粉末なので白湯100~50mlで溶かしてボトルで投与します。

投与時間は30~60分を目安に投与するのが一般的ですね。

注意点としては、白湯50mlでGFOをとかして栄養ボトルで注入すると、滴下が途中で止まってしまうということ。

なので、適宜滴下がちゃんと落ちているか見る必要があって、クレンメの調節が面倒っていうのがある。

そのが看護の気付きになるとこですね。

要は食物繊維(ファイバー)が入っているせいだと思うが、固形感が若干あって白湯50mlだとすぐ止まるんですね。

看護としては、そこだけ注意しましょう。

GFOには投与意義と基準があるが、看護としてはクランプ時間を把握しとけばいい

タイマー

GFOを行うにあたり、投与意義と投与基準があります。

以下に示しておきます。

一応参考にしてみて下さい。

GFO投与意義

  • 免疫増強、筋タンパク崩壊抑制・合成促進
  • 腸管刺激、整腸作用

GFOの投与基準

  1. 1週間以上の絶食
  2. 高度外傷
  3. 急性膵炎
  4. 敗血症
  5. 熱傷(体表面積の15%以上)
  6. MRSA感染症・腸炎
  7. 偽膜性腸炎

僕が病棟でよく経験するGFO療法をされる症例は、PEG造設後の患者さんが多いです。

この前、経口的に食事が摂れなくなってしまった患者さんがいて、家族との話し合いの結果、今後のことを考えてPEG造設して栄養を補給したほうが良いでしょうと医師から

誤嚥性肺炎のリスクや低栄養状態のことを考えるとPEG造設がベター。

確実に栄養が投与できたほうが本人も楽。

術後2日目の昼からGFO療法を開始しました。

内服もPEG部から注入できるので医療者側からしても、手間はかからなくなるわけです。

経口で口から薬を飲ませると誤嚥するし、肺炎のリスクがある。

また、飲ませる側も時間がかかるし、結果「飲めませんでした」となるから大変ですよね。

PEG造設した後っていうのは医師の指示のもとお薬の投与方法に指示が出ます。

この患者さんの時は内服投与したらクランプして3時間後に解除するようにという指示がありました。

GFOの投与後、内服注入はクランプが何時間なのかをチェックしておけば良いってことですね。

クランプ時間を把握して看護を行う。

これに尽きます。あとは通常の看護観察でOK!

何かしら発熱があったり、患者さんの健康状態が良くない時に一旦経管栄養を中止して誤嚥や2次的なリスクを考慮していくぐらい。

例えば、以下のような問題が起きたらGFOとか栄養はいったん投与中止しておきます

  • 痰がやたらと多い(一時的なこともあるから吸引して観察)
  • 発熱している
  • 血圧が低い
  • 呼吸がおかしい

栄養とか、GFOを投与する前には必ず?体温は測って異常がないか?熱はないか?を看護を通して判断することで無理しないで良いことが見えてくる。

最後にもうひとつ、GFO投与に限ってではないけど、指示が変わる時期が必ずくるので指示変更がないかを必ずチェックしておくことを習慣にしといた方が良いです。

指示変更って意外と見落としやすいし、意外と申し送りで抜けてたりするから夜勤とかは必ず確認しましょう。

って話ですね。

インシデントってホント時間の無駄だし面倒なので、事前に予防しましょう。

まとめ

GFO療法については、あまり知っておかなくても全然問題なくてですね、治療は進んでいくものではありますが、一つずつ何のために行われる治療なのか?なぜ必要な治療なのか?っていうのを調べていくと色んな事が繋がってくるので参考にしてみて下さい。

GFO投与時の看護のポイント

  1. 白湯の量が50mlだと滴下が止まりやすいから適宜チェックする
  2. 内服投与後のクランプ時間を忘れない(タイマーとかセットしとく)
  3. 指示変更があってないか確認する

最後まで読んでいただきありがとうございます。

コメント

  1. […] らスタートしてGFOを開始し、問題なければ食事開始となるケースが多い。 […]

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