アルツハイマー型認知症に対する看護はADLのレベルを把握することから【看護の考え方】

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認知系の看護


投稿日:2019-03-31 更新日:2020-06-24

認知症でいちばん多いのは、アルツハイマー型認知症です。

認知症の約50~60%以上はアルツハイマー型認知症が占めているということが分かっています。

だけど症状や経過は、人によって違います。

アルツハイマー型認知症の人に対してどんな看護をしていけば良いのか?

考えると難しいですね。

なぜなら、熱とか炎症反応とかがあるわけでもなくデータが目に見えて改善する病気じゃないからですね。

つまりゴールが見えにくいという感じですかね。

この記事は、アルツハイマー型認知症の看護のポイントを僕の主観で書いています。

  1. アルツハイマー認知症の看護はADLを評価するとゴールが見えてくる。
  2. アルツハイマー型認知症の看護でいちばん注意することは転倒転落です。

ではみていきましょう。

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アルツハイマー型認知症の看護は日常生活動作を把握することから始める

看護をどう介入していくか迷うところですが、結論は

ADLの把握から始めるとゴールが決めやすいと思います。

どう評価していくかを分かりやすく解説してみますね。

まずは、アルツハイマー型認知症についてチラッと言っとくと

アルツハイマー病とアルツハイマー型認知症という言い方がありますけど、どちらも同じ意味で特に違いがあるわけではありません。

アルツハイマー型認知症の原因は、はっきり解明されているわけではないです。

でも、分かっていることは

脳の記憶を司どっている「海馬」を中心に萎縮が起こることが分かっています。

原因物質のアミロイドβ蛋白が脳に蓄積すると、脳内で行われている情報伝達がうまく機能しなくなって、アルツハイマー型認知症になると言われています。

海馬は記憶を司どっているので、アミロイドβ蛋白の影響を受けると記憶障害を引き起こします。

また大脳の広い範囲にも蓄積していくので脳に沈着している老人斑と言われる、「シミ」みたいなものも認知症の原因に関係していると言われています。

つまり、脳の周りに情報伝達を邪魔するアミロイドβ蛋白ってやつとか、老人斑と言われる「シミ」が溜まると、少しずつアルツハイマー型認知症が進行していくということになります。 

だいぶ長くなりましたけどこっから本題です。

入院してきたらすぐ退院に向けての看護計画をざっくり考えると思うんですけど

アルツハイマーの場合、ADLを入院前にフォーカスしてそこに目標を持っていくことが良いと思います。

基本的には、どの患者さんに対しても高齢であれば、入院前の状態まで回復するってことがゴールの目安にななりますよね。

なので、以下のことをゴールの目安にすると良いと思います。

「嚥下状態」

「ADL動作」

 

1つは食事の形態と飲み込みに関する嚥下状態ですね。

やっぱり生活する上で、飲む時のムセがあると誤嚥性肺炎のリスクが高いので嚥下状態はしっかりしっかり評価しておきたいですね。

次は、ADL動作ですね。

時に入院前の生活レベルがどうだったかの聞き取りを、家族だったり詳しい人に情報収集することで見えてきます。

アルツハイマー型認知症は、指示が入り難かったりします。

なので何か動作において要領みたいなものを家族に提供してあげれると喜ばれますね。

その人の動作のスイッチみたいな物ですよね。

たとえば

「手を柵に掴ませると座る動作につながる」とか

「手引きなら歩行ができる」とか

 

何かしら本人の中で動作へのスイッチみたいなものを見つけれると楽になりますよ。

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アルツハイマー型認知症の看護で注意することは転倒転落です。

入院中起こって欲しくないことは転倒転落ですね。

なぜかというと

起こすリスクがめっちゃクソ高いからです。

そのことについてちょっと症状について解説していきますね。

アルツハイマー型認知症の症状はズバリ、記憶障害です。

記憶障害というと、突然思い出せなくなったりとか、お酒を飲み過ぎて記憶をなくしてしまったというようなことではなく、

「何度も同じことを聞いたり」「人や物の名前が出てこなかったり」「置いたりしていたことを忘れてしまうなどが目立つ」なんかが症状として上げられます。

アルツハイマー型認知症は、脳自体の器質的な障害があって症状を引き起こすので、突然発症するわけではありません。

かといって治療すればスッキリ脳が回復するものでもないです。

記憶障害は3~6年の期間でゆっくり進行するので、症状が発症していることに気付かずに過ごしていることが多いようです。

脳梗塞などと違っていきなり発症するものではないんで、ゆっくりと進行していくのがアルツハイマー型認知症の症状です。

経過としては、以下の段階を日内変動でよかったり悪かったりを繰り返しながら経過をたどっていきます。

記憶障害

 ↓

実行・遂行障害

 ↓

見当識障害

 ↓

性格の変化

 ↓

言葉が出てこなくなり困難になる

 ↓

歩行障害・嚥下障害

記憶障害の進行が進んだら、日常生活でちょっといつもと違う行動や言動が聞かれるようになります。

本人が怒りやすくなったりした性格の変化から、家族や身近な人たちが気付き始めて初めて認知症ではないかという疑いを持たれ気づかれたりします。

最終的には自分でも何が何だかよくわからなくなってきます。

歩くこともままならなくなり、食べ物を呑み込むことでさえむせたり誤嚥したりしてきます。

症状の進行をお薬で押さえるということでしか対処することができない病気です。

なので、看護をする上でいちばん注意しなければいけないことは

転倒転落です。

本人的には危険行動を理解していない、もしくは理解が難しくなるのでリスクが高いです。

本人も訳が分からなくてベッドから起きようとしたり、何か目的があるわけでもなく動作をしようとする時に起こります。

なので、アルツハイマー型認知症の看護でいちばん用心しなければいけないのは、観察不足による転倒転落ですね。

対処方法は、センサーなどを積極的に使って未然に防ぐことでしょうかね。

まとめ

では最後にまとめまーす。

  1. アルツハイマー型認知症の看護はまず入院前のADLになることをゴールに考える
  2. アルツハイマー型認知症の看護でいちばん注意することは転倒転落させないこと

ちなみに身の回りに認知症なんじゃないか?って思う方がいらっしゃる場合は以下の簡単な方法で認知症の可能性を判断する方法があるので参考に使ってみて下さい。

質問①お年はいくつですか?(誤差2歳までで正解できればOK)

質問②最近の気になるニュースはありますか?(認知症患者は話を取り繕う傾向がある)

質問③今は何月ですか?また季節は何ですか?(月と季節が一致するか)

上記の質問で1つでも不正解もしくは回答できなければ専門機関で検査をお勧めします。

質問②に関しては、認知症の場合その場をごまかそうとしたり知ったかぶりで取り繕う傾向があります。

また、最近の出来事を記憶しているかを判定するための質問なのでうまく答えられなかったりしたら怪しいかもです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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